02



「獅龍ー!!」



「…だれ?」



「え〜、今日も忘れたんだ?ウチ空谷藍那。よろすぃく!!」





藍那。やめろとは言わないけど
辛くないの?記憶が侵食されてるからいつも覚えてないんだよ
毎日誰っていわれて、毎日自己紹介して、

おれは藍那も獅龍も大好きだよ
だから、できる限り幸せになってほしい
二人の悲しむ姿は見たくないんだ



ありがと神夜。辛いけど大丈夫だよ
だけど、もし獅龍がこの世界から居なくなるとき、記憶の無い彼は一人で死を迎えるんだよ。
周りは知らない人ばっかりの世界で。

昨日ね?やっぱりウチのことは忘れていたけど『お前、どこかで見たことある』って言われたんだ
ほんの、ほんの少しでもいいから
どんなに小さくてもいいからウチの存在が
恐怖で支配されている獅龍の心に残ってくれたら



それでいいの






…おい、赤毛


赤毛じゃねぇ。緋漣だ


緋漣も…俺の、大切な人だったのか


…さあねぇ。それは本人にしか分からない事さ。


どこかで見たことのある初対面の藍色の女が、なんか心に引っかかるんだ
今日初めて見たお前の姿も、一緒に居る黒髪も。
とても、大事なことを…俺は、忘れてる


獅龍、今楽しいか?


そんなこと訊いてどうすんだよ
病気なんだから楽しくねぇにきまってる
だけど、藍那ってやつといるとホッとするよ


アハハッ、それを本人に言ってやれ





「あいつはそのために毎日きてんだから」



ま、いにち ?





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -