「ひまひまひーまーひーまー」
「藍那をのーせーてー」
「あたしを乗せんナ!!」
あたしの声が遠く響いた、五月のある日。
暇がさらに暇となって、あたしと神夜は五月病になった。
「五月病は新しい環境に馴染めないことから起こる精神病だよ。お前らのは4月バカっつーんだよ」
「え、僕も入ってんの??」
「あんたらはセットだから。」
隣で本を読んでいた緋漣のツッコミ、毎度どうもありがとうございます。
藍那です。今日も元気です。あたしの涙は海より辛いです。
「…藍那、変だよ」
神夜ちゃん、優しい毒舌どうもありがとう、悪気がないこの天然め。
「ねーえ、獅龍いつ帰ってくるの?」
「お前さんが静かにしたらだよ。」
「ふーん……」
「……」
「……」
「……………………」
「……あぁ、ごめん!!!!僕もう耐えられない!!!!!」
「デデーン、神夜ーアウトー」
「イラっとくるぞ。その効果音」
あたしが今日学んだこと
みんな4月馬鹿を引きずっている。ってこと
だって今日は…
「五月二日ですものォォォォォ!!!!」
「…ごめん藍那、知ってる。」
「にしても本当に暇だな。ひまひまひまーひー……」
「あ!!緋漣、今歌った!!ひまひま歌ったね!仲間だね!Yeah!」
「Yeahじゃねえよ。頼むから一瞬黙れ」
「……っハイ、黙ったぁ!!藍那ちゃん黙ったぁ!!」
「おまえら全員、救急車で運ばれてしまえ」
「あーーー!!獅龍ちゃん、オカエルィ」
「シネヨォ。あ、神夜、ガリガリ殿なかったぞ」
「えーーー!!ガリガリ殿ないの!?」
「自分で買いに行けってことだな」
「…緋漣、向こうのコンビニまでついて来て」
「…はいよ。藍那も来るか?」
「うん。あたりまえだのクラッカー」
「あー…獅龍くん、ぼっちだねぇ」
「緋漣…。わぁったよ。行こうぜ」
愛しさと、切なさと、ある種の悲しみを抱えた
(僕らじゃ、どうしようもないこの世界)