それは苦しかった。それは愛しかった。それは優しかった。それは、それは、それはそれはそれは、とても言葉で表せるものではなかった。
例えば宇宙的な言語であったならば、この泡沫の陰りを伝えらることができたであろうか。感情も思考も言葉も全て合わせた唇から吸われている気がした。生み出しては破裂して、手を伸ばせば逃げて、消え失せては死んで、そうして巡るルーチンワークはさながら恋のようだと思って、首を傾げた。あれ?恋って、なんだっけ。どんな味がしたっけ。どんな色で、どんな形で、どこにあったんだっけ。わかんないなあ、忘れちゃったなあ。困ったなあ。

ぱちぱちと神経が一本一本引きちぎれていく音が喧しくて、それに追い立てられるかのように真白い首に絡めた指が汗で滑った。薄い皮越しに親指を叩く動脈の蠢きが懐かしかったから、知らず知らずのうちに視界が滲む。頬を滑った冷たさがヒロトの指か俺の涙か、揺らいだ息のままじゃあ到底理解できそうになかった。


「し、んじゃえ」

死んじゃえ



だから俺は両手を、


        *****した





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