マモルなんて大嫌い。僕は大介が大好きだから、大介の一番好きを横取りしてしまうマモルなんて大嫌いだ。大介を師匠と呼び始めた瞬間からずっと、大介は僕の神様だった。僕に沢山のものを与えてくれる凄い神様だった。僕は大介に誉められたくていっぱい練習した。練習して、強くなった。そしてマモルもそうだった。マモルは会ったことのない大介の背を追ってサッカーをしていた。だからだろうか、マモルは大介にそっくりだった。マモルは大介のようだった。マモルと僕の違いは、きっとそこにある。僕の神様だった大介は、マモルにとってのお祖父ちゃんで、越えるべき目標値だった。それを思うと苛つきや羨望や悔しさが腹の底でぐるぐると唸りを上げる。やっぱりマモルなんて大嫌いだ。大介がちょっとだけ寂しそうに話す、マモルと言う人間が大嫌い。ああ、だけど、最近仲良くなった円堂守はそこまで嫌いじゃない。守は優しいし可愛いし、守とのサッカーは楽しいから。僕が嫌いなのは大介の孫のマモル、会ったこともない孫に対して大介が膨らませた理想像。言っちゃ悪いけど、マモルと守は全然似てない。大介は夢を見過ぎだ。あーあ、まったく。大介が早く守と会って話して、マモルが死んでしまえばいいのにな。そしたらきっと僕が大介の一番だ。一番ついでに守の一番好きも貰えないかな。大介の夢と理想が、1日でも早く打ち砕かれますように。


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