手紙が来た
朝。
寝惚け眼でクローゼットからお気に入りの服を取り出し着替え、その足で洗面所にいき顔を洗ってリビングに行けば気難しそうな顔の男が新聞を読んでいるので笑顔で声を掛けた。
「おはよう、お父さん」
お父さんと呼ばれたのはセブルス・スネイプ。
そして仏壇にも挨拶を忘れない
「おはよう、お母さん」
しっかり挨拶してからお父さんの隣に腰を降ろせば、それを待っていたのか口を開いた
「おはようリリア。早速だがこれが届いていた」
渡された手紙の主を見ようと裏を見ると、ホグワーツの捺印と校長の名前が書かれていた
「ホグワーツ!!」
急いで封を開封すると入学に関することが書かれていた。
私は目を輝かせて読み終わるや否やお父さんに抱きついた
「お父さんが卒業した学校に私もとうとう通えるのね!!」
お父さんに抱き付いたまま嬉しそうに足をばたつかせるとお父さんが優しくしかりつけた。
「っこら」
急に抱き付くなと言うと、舌を出してごめんなさいと謝るそんな娘が可愛くて頭をポンポンと撫でた
「朝食を食べたら買いに行かねばなるまい」
新聞を畳み、ダイニングに行く。少々不機嫌そうなその後ろ姿を見ながら、私はひどくワクワクが止まらなかった
朝食を食べ終えたのでホグワーツに入学にするための一式を購入するためお父さんと二人でダイアゴン横丁に来ている。
あらかた揃えた最後は教科書を買うべく本屋へ行けば、欲しかった本を発見した
「あと、ちょっとなのに…」
肝心の欲しかった本が高い所にあるので、手を伸ばしたがなかなか届かない
何がなんでもと本棚にくっついたりジャンプをしたため少女の着てる黒のワンピースの裾が捲れているのすら気付かずにいる。しばらく精一杯背伸びしていたところにその本に手を伸ばした人がいた
「これかね?脚立を使えば良かったんじゃないのか?」
呆れた声と裾が捲ていると注意されるとともに本が目の前に差し出してくれたのを満面の笑みを浮かべて受け取った
「だって、届くと思ったんだもん」
裾を直しながらぷくぅと頬を膨らませた娘に対して、頭を撫でてあげた。どうにも自分は娘には甘い
「さ、それを買うならレジに行きなさい」
そっと促せばうんと返事をしてレジに行く後ろ姿を暖かく見守った。しばらくして戻ってきた娘と本屋を出たが暑い
「お父さん。飲み物飲みたい」
彼のローブの掴んでおねだりする。暑いので飲みたいのは一目瞭然なため、飲み物を買ってあげた。テーブルでのんびり飲んでいると、ふと思い付いたのかお父さんは立ち上がり暫く待ってなさいと何処かへ行ってしまう
「んー。冷たい」
美味しいと言いながらお父さんを待ってると戻ってきたが、何やら籠を持っている。遠くからはそれがなんなのか分からなかったが近づいたら直ぐに分かった
「わっ、猫だ!」
私のテンションは一気に高くなる。さりげなくサプライズをするお父さんが大好き
「お父さん、大事にするね!」
満面な笑みにセブルスは頷き、そして自身も飲み物を頼みながら横目に映る可愛い娘のはしゃぎようを堪能するのだった
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20130627
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