YMキューピッド作戦 報告書 作戦A:ひたすら褒める ⇒失敗 作戦B:二人を、ひたすら会わせて話させる ⇒失敗 「……名前、何書いてるの?」 「え?報告書…ってやだ由良。由良が見たら意味ないじゃん」 「いや、口で話せばいいでしょ。てかYMって何」 「由良のYと雅治のM」 「………あんたこれバカ丸出し…」 バカって単語はスルーします。私スルースキルだけは高いんだ! これまでの経緯を説明します。まあ、放課後になって、作戦を由良と練りました(ほとんど私の案だけどまあ気にしない)。そして作戦実行。今はその結果を、私は報告書として書いてた…ところに由良参上。というわけ。 断る理由がないため、私は現在進行形で由良の恋を応援している。 「ねえ名前」 「ふあい」 「欠伸しながら返事しないの。…あのさ、私と名前と仁王君と…あと一人男の子呼んで、四人で遊べないかな?」 「…いいね!」 うん、いい。何でもっと早くそれを言ってくんないかなあ。 「でしょ?お願い出来る…?」 「勿論!あと一人はどうする?」 「私は誰でもいいよ」 「じゃあ雅治に聞くわ!んじゃあまた明日!」 「うん、また明日」 言い忘れてたけど、今放課後。部活を終えた由良ちんが来たってわけ。由良の部活は結構熱心で、部活時間は長い方だと思う。そんな由良が部活を終えて来たのだから、ほとんどの部活は終わってる。あ、でもテニス部はまだやってると思う(全国大会近いから)。 私は頑張ってるテニス部員に心の中で応援した。ガンバレー。そして、自分の家に帰った。 あ、自分の家といえば…親が帰ってきた。だからお泊まりも終了。何か安心だ。 トゥルルルル 家に帰ってからどのくらい経ったかは忘れたが、携帯の着信音が鳴った。この着信音は雅治用のやつだ。私は読んでいた漫画をおいて携帯を手にとった。 「はーい」 「よう」 「雅治…部活、終わったんだ?」 雅治には帰ってからメールで、部活終わったら電話して、って言っておいた。別に普段から電話とかよくしている訳ではない。 「おう。今帰りよるよ」 「そっか。お疲れ様」 「おう。で、どうしたんじゃ?」 「んー…今度遊べないかなっと思って。」 「……二人でか?」 「ううん、四人。私と私の親友と雅治と…あと一人誰か。」 「………」 私がそう言うと、雅治は黙ったけど私は気にせず続けた。 「雅治あと一人呼んでくれない?」 「…ブン太でも連れてくかの」 ここで黙られたら正直困ったけど、ちゃんと答えてくれて安心した。 「ああ、丸井ね。了解。んじゃ…日程は後々!」 「分かったぜよ」 さあて、明日は由良に報告しますか! 翌日。 私は、由良にOKもらったことを報告した。 「ホントに!?うわ〜っ嬉しいっ!!」 普段、あんまり顔に出さないタイプな由良が、ただ遊ぶのオッケーされただけなのに、こんなに喜んでる。それって凄いと思う。恋の力ってやつ? 「うん…よかったね。」 「うんっ!!」 「……それで…いつにしようか?」 「今週の日曜に決まってる!」 「…何で?」 「テニス部は、第一日曜と第三日曜しか休みないの。今週の日曜を逃すと中々遊べないと思うわ」 なんだか由良がすごく頭よさそうに見えたのは、錯覚だろう。由良が頭いいわけないし。 「あーそうなんだー」 「うん。と言うことで今週の日曜決定!」 「遊ぶのは今週の日曜決定ね。テニス部は第一日曜と第三日曜しか休みなくて、今週の日曜逃したら遊べないもんねっ」 夜。語尾に星が付きそうな勢いで電話越しに雅治に言った。 「………」 「ごめん」 無言の雅治になんだか申し訳なくなって謝った。どうして私が謝ってるんだろ。 親友の恋 (雅治と由良の、)(恋のキューピッドになろう) |