「仁王君ほんとカッコいいー…」
「仁王君といえば…名前、幼馴染みなんだよね〜!」
「仁王君と幼馴染みとか…名前いいな〜!」
「付き合ったりしないのー?」
毎日、絶対話題に出てくる雅治。そして雅治の話題が出ると大抵、私と雅治の関係…つまりは幼馴染みの話になる。
よく漫画とかでは、幼馴染みと恋をしたりする。けど幼馴染みの二人が両想いになるなんて、現実ではない。断定は出来ないけど、あんまないと思う。まあ、取り合えず私達はそんな関係に進展しない。絶対に。
友達の問いは適当に流しておいた。


「キャー」

「やーぎゅ」
「仁王君ではありませんか。どうしました?」
あ。雅治だ〜とか思うより前に、女子の叫び声によって気付く。うちのクラスは雅治ファン多いからなあ。
…て、あ。雅治がこっち見た。え、私?
「…私?」
柳生と雅治がいるとこまで行くと、雅治が頷いた。
「ちと辞書貸してほしくてのぅ」
「はあ?辞書?…つか何で私?雅治そんなに友達少なかったっけ」
「アホ。名前のなら汚しても大丈夫じゃからな」
「汚すの前提!?絶対汚さないでよね〜」
「どうかのう」そう言って笑う雅治に、多分うちのクラスの女子はキュン死にしてると思う。いや、してる。ちょっと見えたよ、今。倒れていく瞬間を。
まあこれ以上話してたら、後で友達に何か言われそうだから私は、汚さないでよねと言って友達のところに戻った。
戻ったら、やっぱり色々言われたけど。まあ色々を詳しく言うとまあ、何話してたの〜?とか、やっぱり名前と仁王君は〜…みたいなことね。
まあ私は、ないないって笑って返したけど。まさか、それを聞いた雅治が切ない顔を浮かべてたなんて知るはずもなかった。



馴染み
(私とあなたは、)(幼馴染み)

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