私には、仁王雅治という幼馴染みがいる。銀髪で訛ってて時々よく分からないところもあるけど、大好きな幼馴染みだ。
私と雅治は、仲が良すぎるぐらいだから、付き合ってるんじゃないかっていう噂が流れたりした。まあまだ小学生だから、そういう話が好きなんだろう。なんて自分も小学生だけど思ってみた。
私も雅治も、特に噂は気にしなかった。噂を気にして気まずくなるなんて、嫌だったからだ。


なんの変哲もないある日、私は登下校中だったが忘れ物をしたことに気付き急いで教室へ戻った。教室へ戻ると、数人の男子の声がした。どうやら数人の男子は残っていたらしい。雅治の声もしたから、だから今日は一緒に帰れなかったのかなんて思った。
男子しかいないであろう教室に、入るかどうか迷っていると私の名前が聞こえた。なんとなく会話が気になって、教室に耳をすませると予想外に会話はハッキリと聞こえた。
「仁王と名字って付き合ってんの?」
「あ、それ俺も気になってた。そういう噂あるけど、ホントのとこどうなんだよー」
そういう系か。私は、ここで雅治がなんて答えるのか気になってさっき以上に耳をすませた。でも、予想外にキツい言葉に、私は少し悲しくなった。でも、この時はまだよかった。雅治のこと好きじゃなかったから。
でも、時間が経つにつれカッコよくなっていく雅治に、いつの間にか私は雅治を好きになっていた。でも、雅治の言葉が蘇るのだ。


俺と名前が付き合うわけないじゃろ。幼馴染みなんじゃき。有り得んよ



過去
(雅治の言葉は、)(今でも一語一句ハッキリと覚えてる)

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