水谷のストーカー発言から私は、水谷なんか知らない水谷って誰ですか作戦を行っている。まあ簡潔に言うと水谷とは馴れ馴れしくしない、というかなんというか…敬語で距離を作ろうという作戦だ。
「ねー名前ー」
べたべた
「触らないでください」
なんかもう名前呼びは、いいや。気にしない。でも取り合えず激しいスキンシップを止めさせたい。あえて、あえてセクハラとは言わない。なんか本人がセクハラって認めてるから。
私は認めたくない。

「………」
急に静かになったから、ちょっと気になって水谷のほうを向いてみた。すると、いきなり腕を引っ張られてどこかへ連れていかれた。
「え、ちょっ孝介!」
びっくりしすぎて声が裏返るぐらい動揺した私を、孝介は見ているだけで助けようとはしなかった。自力で水谷から逃げようとしたが、男の力に一応女である私が敵うはずもなかった。

水谷に引っ張られて着いたところは、今から体育の教室だった。もうすぐ授業なため、みんな外に出ている。
え、何これどういう展開ですか。なんかなんか廊下になぜか生徒いないし。水谷は私の腕を掴んだまま、動かないし。え、えっ

「名前」
「はい」
「敬語止めてー」
「………」
「止めないならチューしちゃうよ」
動かなくなったと思ったら、私に急に話しかけてきて振り返ったら、いつも通りだった。ヘラヘラしてるし。なんなんだ。つかチューって……そんな脅しに引っ掛かるか。何がなんでも敬語で話してやる。
こんな私の決意はいとも簡単に、破られてしまう。水谷はホントにチューしたのだ。まずは軽いやつ。私が無反応でいると、今度は深いのをしてきた。いわゆるディープってやつ。
「んんっ」
「エロいなあー。食べちゃうぞ」



食べちゃうぞが冗談に聞こえません
(なんかもう…)(敬語とかどうでもいいや)



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