水谷って奴のセクハラ発言から数日経った。あれから私は極力、水谷を避けている。まあ、当然だよね。ていうか思ったんだけど、自分を偽るのって大変なんだね。なんか今更だけど、簡単だと思ってた私は漫画の読みすぎよね。たまに本音が出そうになるんだよね。
今のところキャラは私の設定通り。…な、はず。


「なんだよ、これ…」
「いいだろーあげねえから」
「いらねえよ!」
「えー花井つまんねー」
「お前なあ…これ名字に知れたら大変だぞ」
なんとなく聞こえていた、水谷と花井の会話に、私の名前が出てきた。なんか悪寒がして二人のところに行ってみたら、私の勘は当たったようだ。
「おわっ…名字……」
「あっ名字さん!見てみて、この写真よく撮れてない?」
おわって花井、仮にも女の子に向かって失礼だと思わないのか。まあそれだけ酷い顔してたんだろうけどね。
水谷の見せてきた写真には、でかでかと、でかでかと私が写っていた。まるで私を撮ったかのように。
なんだこれ。なんだこれ。なーんだーこれ。
「お前堂々としてるな…」
花井が呆れた顔をしている。まあ確かに堂々としてるよな。盗撮しといてさ。あー…なんかクラクラしてきた。

「あ」
「あ」
あ、っと後ろで聞こえたから反射で声の主を見てみると、なんと私のこの学校での唯一の知り合いだった。幼なじみとも言うんかな。
「お前なんでここいんの」
「え、転校してきたから」
幼なじみの泉孝介だ。本来の私を知ってる人と喋ってると、本来の私が出てきそうだ。ということで、私は少し離れた場所にて孝介に今の状況を話すことにした。

「お前相変わらずだな」
話し終わると、孝介は笑って言った。え、何それ照れるじゃん
「ありがとう」
「褒めてねーけど、どういたしまして」


「泉見てー」
「あ?何これ盗撮?」
「おう!」
水谷と花井のところに戻ると、水谷が超自慢げに孝介に写真を見せた。孝介も孝介で驚かなさすぎだと思ったけど、孝介の問いに笑顔で肯定した水谷に、何かが切れた。
「水谷前から思ってたけどあんたオープンすぎだから。盗撮してんだったらせめて隠せよ。つかいつ盗撮した。他の写真もあるんだろ?ほら寄越せ。そしてもう二度とスルナ。あ、してもいいけどそれ相応の対価はもらうぞ。焼きそばパン一週間分でどうだ」
「名前。お前キャラは」
つか自分安く売りすぎだろ
孝介が冷静にそう言ってきたけど、もう知らない。もういいよこの数日の間キャラ満喫出来たから。それより言いたいことがありすぎるんだよ。
取り合えずさ、



盗撮が犯罪って知ってますか?
(知っててやってんなら変態)(知らなくても変態)



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