バサラ | ナノ
※本能に〜の二人
※ガチホモ






「ただいまあ」

猿飛が帰ってきた。あの店を辞めてからまともに生活をし始めたが、新しい仕事先がなかなか見つからないらしく、こうして帰って来るたび疲れた顔をしている。

「あぁ。どうだった」
「駄目っぽいね。はぁ〜就職先、バイトすらこうも見つからないんだなあ。」
「そうか。飯できてるぞ。」

テーブルに皿を置くと猿飛は椅子に座った。自分のぶんを用意して向かいに座ると拗ねたように此方を見ている猿飛がため息をつく。

「なんだ。」
「アンタさあ…あんまり深く考えてないよな。」
「まあな。言ったろう、お前の面倒くらいみれるんだよ。」
「それだと俺様が肩身狭いの。」


俺は本当に家事さえやってもらえれば無理に働きにでなくても構わないのだが、猿飛が素直に聞くとはおもえなかった。好きにしな、と言えば黙って食事を進める。
あっ、と、突然声をあげた猿飛はやはりこちらみてにやりと笑った。

「でもアンタに話すネタはできたぜ。」
「…なんだ。」
「下の階の女子大生とちょっと仲良くなったんだよ、その子がさあ面白いこというの。」

なんとなくだが、嫌な予感がする。

「俺様がゲイなんですかって、さ」
「何て答えたんだ。」
「そうだよ、って。ついでに一緒に住んでる人もゲイだから安心してね。て。」
「馬鹿か!」

怒鳴ったせいで米粒がとんだ。俺としたことが情けない。とんだマナー違反だ。
いやそれよりも安心してね。とはどういう事だ。

「きたなっ!大丈夫だって、その子冗談だと思ってるからさ。」
「なんで言い切れる!本気にされたら引っ越すからな!」
「俺様の事ホストとと勘違いしてんの。」
「……安心とは」
「最近痴漢多いから。俺様達ゲイだと女の子に興味ないじゃん?」

女に興味はない、否定はしない。しないが、わざわざ他人に言ってしまうところは理解に苦しむ。俺はなるべく静かに暮らしたい。…待て。

「お前はホストと思っていても俺の事は……」

自分の皿にとんだ米粒を避けながら猿飛は笑みを深めた。

「うん、多分本気にしたんじゃない?」
「張り倒すぞてめえ!責任持って新しい家探してこい!」

二駅以上離れたところだぞ!と言おうとしたが

「アンタに言い寄る女が減るからいいじゃん。」

と言われて黙ってしまった。






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2012/03/27
ガチホモであるけど一応隠しておきたい片倉と別にどう思われてもいいじゃんな佐助

佐助の最後の台詞はどっちにとらえても大丈夫ですね(ヤキモチか言い訳)









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