バサラ | ナノ

※現代
※佐助がめんどくさい






片倉さんのバカ

メール画面にそう一言だけを打ってため息を吐いた。
送信する気なんてこれっぽっちも無いのだけれど、約束を破られた腹いせになにかしないと気が晴れなかった。

相手は社会人だし、行動も時間も、限られてるのだから。
仕方ないんだ。
仕事だから。忙しいから。

そう思っていたのに。
それなのに、あの人は政宗に足代わりを頼まれただけで先に約束していたこちらの方を断ったのだ。
これが怒らずに、悔しがらずにいられますかって。


片倉さんのバカ

携帯を握り締めたまま画面もみずにもう一度同じ文を打つ。

いっそ別れてやるって送ってやろうかと考えてやめた。
あの人が政宗バカなのを知ってて付き合ってんだし、こんなことこれからもあるんだろう。分かっていてあの人をきれない俺様が一番バカじゃないか。
あの人はもしかしたら同情心で俺様の相手してくれてるのかもしれない。しつこく言い寄ってたの俺様の方だし。
なんか惨めになってきた。

ああでもやっぱり少しは腹が立つ。どうせいつかは別れるんだ、遅いか早いか、それだけの違いだ。
今、別れたって。

手元の携帯が急に震えだした。驚いて画面をみるとあの人からの着信。勢いで通話ボタンを押してしまった。

「猿飛?今日は悪かった。また今度の休みはどこにでもつきあ」
「片倉さんのバァカ」

相手の話も聞かずにごちゃごちゃした感情のままぶつけて通話を切ってやった。電源まで落として完全にあなたの話を聞きたくありません状態をつくる。
俺様相当女々しいんじゃないか。
まあもうあの人にどう思われようが構わない。別れを切り出される前に切るのは最低限のプライドだ。
別れたくないけど。好きだから別れたくないけどだからこそ。

よし、もう寝よう。これ以上考えてたらほんとに立ち直れなくなりそうだ。




そんな風に眠った俺様は真夜中に家に押し掛けてきたあの人に叩き起こされた訳です。
勝手極まりないその人に直接怒れなかったのは多分、あの人らしくもなく、情けない顔をして俺様を抱きしめて謝ってきたからなんだろう。
片倉さんのバカ
抱き返しながら呟いた俺様が、やっぱり一番バカなんだろう。







――――――――――

2011/12/08
打ってる途中に片倉サイドをかきたくなった。
そして支離滅裂な文


この片倉は普段から佐助をないがしろにしている感じ
でも片倉→→←佐助ぐらいなベクトルが好みです
最初は片倉←←←佐助だけど佐助は付き合えたらそれでよくね?って感じで実際付き合ったら片倉のほうが独占欲強そう




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -