365 | ナノ

★▽犀幸(警笛NT)


2012/07/19 * 0


美耶古様にお印がおりた。
いよいよ儀式を行うことになった。
連絡を皆にするため紙とペンを探す。

儀式の際には、24になる女を共に捧げなければならない。
24になる女、幸江を?いや幸江以外にもいるはすだ。
幸江。
幸江には旧館にいるところを見られている、犀賀家当主として口を封じなければーー


何故追ってきてしまったんだ。来なければ。知らなければ。
俺はどうしたら。
ぐしゃりと手元の紙が潰れた。




「幸江」
「先生どうなさったんですか?」

もうすぐこの笑顔も見れなくなる。
許してくれ、許してくれないか、私は「犀賀」に従うしか出来ない。君を連れてこの村から出ることも出来ない。儀式の失敗は許されない。

「休みをとろう、たまには二人で何処かに出掛けないか」
「……」
「嫌か」
「い、いえ!とんでもない!嬉しくて…先生からそんなこといっていただけるなんて」

どこに行きましょうか
本当に嬉しそうに笑うこのひとがいとおしい。
真っ直ぐ自分を思ってくれる、こんなひとを。
儀式の時まで彼女の望みを出来るだけ叶えたい。笑ってくれと言うのならいくらでも笑おう。
幸江、すまない。





「いや!やめて、助けて!いやぁ!」

視界の悪い、頭巾の隙間から悲痛な幸江の顔が見える。暴れる彼女を男ふたりがかりで押さえつけながら目の前に連れてこられる。鞘から抜いた刀に泣き顔が映った気がして刀を払う。

「助けて…!いや!いや!」

震える手元を落ち着かせるため深呼吸をした。
もう、どうしょうもない。

「……先にいっててくれ、幸江」
「…、せんせ?…せんせぇっ」

幸江がこちらの顔を見る前に胸を貫いた。





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後犀賀先生がハワードに引導渡してもらう辺りの心情をかきたいけど長いので。
文に移動させる気になったら続きかこう



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