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シンジは学校帰りに鈴原達と相田の家で遊んでるから、今日のあたしはひとり寂しくレトルト食品で晩ご飯。
シンジは申し訳なさそうにしてたけど、ひとりで家にいるのは嫌いじゃない。つーか、シンジがいるとできないことができるから実は結構好きかも。
でもねぇ…シンジのご飯が食べられないのが難点なのよねぇ…
やっぱり、あたしも料理くらいできるようになるべきかしら?うーん…
あぁ、鈴原と相田ってのはシンジの友達よ。あと渚ってやつもシンジの友達なんだけど、今日は一緒じゃないみたい。
3人ともシンジとは中学から仲良くなったらしいんだけど、正直シンジに男の友達ができて安心したわ。小学生のときは四六時中あたしにくっついてたから男の友達がいなかったし…
渚も相田も鈴原も変なやつだけど、そこだけは感謝しないとね。
ま、あたしはシンジのママじゃないから「シンジと友達になってくれてありがとう」なんて言わないけど。
あんまりおいしくない晩ご飯を食べたあとは、後片付けをしたり歯を磨いたりお風呂の準備をしたりで割と忙しい。そんなときに玄関のドアが開く音が聞こえてきて、あたしは首を傾げる。
今日はパパとママも仕事で帰ってこれない朝言ってたし、シンジは帰りが遅くなるから自分の家に直行するだろうし…玄関のドアが開くはずがない。なのに、そのドアが開いたということは…
ま、まさか…泥棒!?
あまりにも突然のことで体が思うように動かないあたしは、リビングでバカみたいに突っ立ってる。こんなことしてる場合じゃないのに…
そのあいだにも泥棒は玄関でごそごそと靴を脱いでドタドタと一目散にリビングへ…って、あれ?この足音は…
「シ、シン「アスカちゃんっ!」」
「きゃあっ!…いっ!」
「アスカちゃん…ぼ、僕…僕っ…!」
「いったぁ…ちょっとシンジ!いきなり何……えっ?ど、どうしたの…!?」
その聞き覚えのある足音の持ち主はシンジで、騒がしくリビングに入ってきたと思ったらポカンとしてるあたしを見つけるなり全力であたしの胸にダイブしてきた。
もちろん、あたしはか弱い女の子だからそれに耐えきれるわけもなく…シンジごと床に倒れたわ…
あ、あたしの形のいいお尻が…
だけど、今は盛大に打ちつけたお尻なんか気にしてられない。
だって、シンジが泣いてるんだもん!あたしの胸に顔を埋めて子どもみたいにわんわん泣いてるんだもん!お尻なんかどうでもいいわよ、そんなの!
でも、シンジは泣き虫だけどこんなに大泣きしたのは小学2年生のときにあたしのベッドでおねしょして以来だからどうしたらいいかわからないのよね…
抱きしめたら泣きやんでくれるかしら…
「シンジ…」
「僕っ…お、男なのにっ…変なおじさんが…僕にっ…!」
「…えっ!?」
「ぼ、僕…やだって…やめてくださいって、言ったのに…なのにっ、無理やり見せてきて…それで…それでっ…」
「もういい…もういいよ、シンジ。もう話さなくていいから…」
「うぅ…アスカちゃん…アスカちゃん…」
あたしは泣きじゃくるシンジの頭を優しく抱きしめる。
…この前先生が言ってた変質者ね。シンジは男の子なのにその変質者に汚いものを見せられて怖かったから、プライドを傷付けられたからこんなに泣いてるのね…
でも、もう大丈夫…大丈夫よ、シンジ。あんたにはあたしがいる。あたしがあんたのこと守ってあげる。その変質者の薄汚いものを使い物にならなくしてやる。むしろ、その変質者を殺してやる。だから…だから大丈夫。もう怖くないよ。
つーか、いくらシンジが女の子っぽい顔してるからって普通襲う?襲わないわよねぇ…
「怖くない、怖くない」
「うっ…ぅ…アスカちゃん…」
「もう怖くないよ、シンジ。あたしがいるから大丈夫」
「…うん…怖くない…アスカちゃんがいるから、もう怖くない……それにアスカちゃんのおっぱい気持ちい「エッチ!バカ!ヘンタイ!信じらんない!」」
「いだっ!」
前言撤回!もう知らない!シンジなんか守ってやんない!バカ!バカバカバカッ!
……だけど、シンジが泣きやんでくれてよかった。だから…もう少しこのままでいてあげる。あたしの気が変わらないうちにさっさとその目尻に溜まった涙をあたしのこの自慢の胸で拭いちゃいなさい。ふふふっ。
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