「ねぇ、アスカちゃん…」

「…ん?」

「僕、眠い…」

「…だから?」

「だから…膝枕…」

アスカちゃん…って眠い目を擦りながらソファーで毎週楽しみにしてるドラマを見るあたしに膝枕を要求するのは、隣に住んでる幼なじみの碇シンジ。
あたしと同じ中学2年生のくせにあたしのことをちゃん付けで呼んでくる男のくせに甘えん坊で情けないやつ。

まぁ、中学に入る前にあたしのことをアスカって呼ぶように散々言ったから、人前ではちゃんとアスカって呼ぶようになったんだけど…ふたりっきりになるとアスカちゃんに戻るのよね…
うーん…何でふたりっきりになるとアスカちゃんって呼ぶんだろ?変なの。


「ねぇ…アスカちゃん、膝枕…」

「やーよ。あたし、今忙しいの」

「…テレビを見るので?」

「そ。だから大人しく「…やだ、膝枕」」

「えっ…ちょっ!シ、シンジ!?」

弱虫で泣き虫であたしがいないと何もできな……ま、まぁ料理くらいは小さなころからしてるからあたしがいなくてもできるんだけどね。
…ハッ!べ、別にあたしができないからできるようになったわけじゃないわよ!ただシンジのパパとママもあたしのパパとママも仕事であまり家にいないし、あたしがやるとなぜか大変なことになるから仕方なくシンジに任せてたらできるようになっただけで、けっしてあたしが料理できないから代わりにできるようにならざるを得なかったわけじゃなくて…その…えっと…


と、とにかく!そんな料理だけが取り柄のおどおどシンジが珍しくあたしの言うことを聞かずに行動に出たわけよ!
えっ?行動に出たってシンジは一体何をしたんだ、ですって?あんたバカぁ?ソファーでくつろぎながらテレビを見てるあたしの隣に座ったと思ったらいきなり太ももに頭を乗っけてきたのよ、こいつ!

あたし、やだって言ったのに…!


「こ、このバカシン「アスカちゃん…」」

「何よっ!」

「えへっ…おやすみ」

「……はぁ…このドラマが終わるまでだからね。いい?わかった?」

「うん…えへへっ」

何が嬉しいのかわかんないけど、頭をあたしの太ももにぐりぐりと押し付けながらへにゃっと頬を緩めるシンジ。
もう…あんたがそんなだらしない顔を見せつけてくるから怒る気が失せちゃったじゃない。どうしてくれんのよ、まったく。

…それにしても、シンジの髪の毛ってさらさらしてて触り心地いいわねぇ…何のシャンプー使ってるのかしら?このドラマが終わったら聞いてみよっと!




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