(シムカタ・エロ…かな)
誘ってるつもりなのか、太ももに腰を擦りつけちゃって。
物欲しそうな顔。
そんなに期待されたんじゃあ、応えてあげないわけにもいかないだろう。
否、俺自身楽しんでもいるんだけど。
「シムさぁん……」
ああ、俺が好きなんだね。
なんて馬鹿みたいにかわいい。
繊毛が弾け飛んで木枯らしのような息を吐く。
利己主義に見えて好き嫌いはあまりないらしい。
少なくとも、俺に関しては。
与えたものは全部、美味しそうに飲み込んでいる。
まるで、口を開けて餌を入れられるのを必死に待ってるヒナだ。
「巣立ち……?」
「なんか言うたぁ?」
(インプリンティング、ねぇ)
「鳩はピジョンミルクを出すし」
「鳩とかどうでもいいやんか……俺ンこと構ってや」
唇で挟んだ耳朶を引っ張られた。
鎖骨に歯を立てた。
「なんだ、甘くないよ」
「さっきから意味分からへんねんけど、」
「少し眠ろうかカッタン」
もう一度目を開けたとき、第一に視線を合わせられるように。