(ガミタン・微エロ)
乱雑に手に取った色をパレットに絞って、それを混ぜると、始め反発しあっていたそいつらは徐々に一つの色になる。
何色をいくつ同じことをしても変わらない、結果として仕上がりにブレはあるけれど。
「丹さん丹さん」
「…ぁんだよ」
生々しい表現をすれば締め付けてる側のはずなのに、締め付けられたような気分になった。
どちらのとも言えぬホニャラララ、とかね。
一瞬霞んだ視界の端に人工的な『桃のニオイ』がぼんやりチラついた。
(おクチに入っても安全〜ってか)
甘ったるいニオイの割に味気ないそれを冷たいと思ったことは一度もなかったりする。
微妙な愛の感じ方だな。
「余裕……」
ふっと鼻から息を漏らすと不満げな声で小さな文句。
「ぅあっ、おい」
「笑うほど余裕あるんスね」
摩擦で火が起こるんじゃないかと思った、それでマッチみてぇだって想像したらどうしても吹き出しちまってまた反感を買うことになる。
条件反射の如く気持ちいくて、条件反射の如く側にいるのだからたまらない。
チカチカ光る卓上クリスマスツリーは、イルミネーションのスイッチが入れっぱなしだ。