▼記憶の喪失と容易な想起
■健忘[amnesia]
記憶異常の一種。記憶の喪失が、比較的限られた事項や一定の期間に限定されて現れるもので、広範囲にわたって全般的に生じる記憶の低下ないし記憶減弱とは区別される。
特に日時、文字、固有名詞など、特定の事項の記憶だけを喪失したり、一定期間にわたる記憶の喪失のところどことに追想可能な記憶の「島」が残存したりするなど、種々の部分的健忘が起こりうる。
健忘には器質的疾患によるもののほか、精神的原因によって生じるものがあり、後者を特に心因性健忘と呼ぶ。
■記憶増進[haypermnesia]
心理学用語。記憶過剰ともいう。催眠状態や発熱時に、通常は思い出せないものまで容易に想起すること。分裂病者や躁病者にも認められる。
また知的障害でも特定のことを普通以上によく暗記している場合があり、白痴の天才といわれる。
■白痴の天才[idiot savant]
イディオ・サバン。知的障害であるが、暦などの機械的記憶、計算、その他絵画音楽などの特別な領域で異常に秀でた能力を示す者。
(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
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