短編 | ナノ



※ナチュラルに佐久間が変




うん今日も清々しい陽気だ、実にサッカー日和だこと。天馬くんときたら楽しそうに目をきらっきらさせてこんな天気ならサッカーも喜びますって拳握ってたな、同意を求めてもお姉さんサッカーじゃないからその気持ち分からないんだ。苦笑いするしかなくて突っ立ってたら剣城くんがやってきてこいつの言うことは九割無視していいんでと言って天気くんを引きずっていってくれた。ごめんね天馬くんサッカー語勉強するね。そしてありがとう剣城くんまじ保護者。

ともあれこうも天気がいいと眠くなっ……いかんいかん眠くないぞ、寝ちゃあかん。仕方なく眠気をとばすためにグラウンドの隅で大きく伸びをしていたら、鬼道が背筋ピーンな姿勢で向こうから歩いてくるではないか。どうしよう、まだ睡魔が私にとりついているというのに、これではまた鬼道に怒られてしまう。下手すれば一人皇帝ペンギン2号の刑である。なんとかせねば。

だがそんな悩みも次の瞬間吹き飛ぶはめになるとは思わなんだ。だって、だってなんで佐久間おまえ鬼道の腰に抱きついてるんだよおおおおお。訳わっかんねえなんで鬼道も何でもないかおして引きずってんのおおおおおおおお。重くないのか、重くないのか後ろの子泣爺がごとくひっついてる佐久間は。ちくしょう開いた口がふさがらない。




「どうした名字」
「よう名前」
「きききききききききききき鬼道うし、うしうし後ろ!」
「後ろ?――何もないが」




だからおまえだよ佐久間ああああああ。なんでおまえまで後ろ向いてんだよおまえだよおまえ。何不思議そうにお互いに顔あわせて首傾げてんだよ。インテリと見せかけてアホかおまえら実はアホか。




「む、そろそろ練習をはじめるぞ」
「え、それ(佐久間)つけたまま部員に指示出すんですか」
「当たり前だいつもつけてるだろうこれ(メガネ)は」




いつもつけてないから。部員びっくりだからやめろって鬼道、え、ちょ、早い歩くの早い。うわもうみんな整列してる。すっごい佐久間のことみてる。やめて、やめて私に説明求めるような目で見ないで。私この人たちと関係ないから。今日から全くの他人だから。







240305;おまえらの監督だろなんとかしろ


このあと剣城と神童もツッコミしてループする



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