意気込みは十分



高校生活二年目の春。ドキドキとうるさいくらいの心臓を無理やり落ち着け、掲示板へ向かう。縁下と同じクラスになれる確率は二分の一。同じクラスにならないと、接点が減ってしまうし、関われる機会も減ってしまう。それに、告白のチャンスだって、減ってしまう。
…………それは、記憶に新しい一週間前のことだった。縁下を呼び出して、告白しようと意気込んでいたのに、部活で断られたのだ。それ以降、誘う日誘う日に部活だと言われ、部活のない日は、予定があると言われ……。告白は必ず直接行いたいと決めていたため、LINEやメールは使ってない。使っていないが、これじゃあ使わざるを得ないんじゃないかと、不安である。
苦々しい春休みを思い出しながら、掲示板の前に立つ。

(四組か五組か……)

四組を見ていると、すぐに縁下の名前を発見する。すぐさま私の名前を探すと、四組の中に入っていた。

「……ッやった!」

小さく呟くと、後ろから頭を叩かれた。

「こんなところであんまり変なことすんなよ……」
「縁下! おはよー。今年も同じクラスだね」
「おはよう、また和泉とか……」
「何その、“面倒そう……”って顔」

「実際その通りだろ」と呟きながら、掲示板に目をやる縁下に、「ねえねえ、早く教室行こ!」と声をかける。
気持ちを伝えられないなんて有り得ない。今年中に一回でもいいから、必ず伝えてやると、そう決心し、縁下を待つのだった。

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