※呼び方などの間違い、捏造アリ
「夢叶は、どのくらいのこの世界のものの名を知っている?」
「そうですね、かなり偏っているとは思いますが」
そう言って私は覚えている限りのBASARAキャラの名前を上げた。
本願寺顕如や北条のじっちゃん、某アラビアン王子はこの世界にもいるだろう。
今川や他の地方武将、三好三人衆はどうだったかな。
あやふやだったので名前は上げなかった。
ふむふむと足利さんは聞いて、とんでもない事をおっしゃった。
「会ってみるか?」
「……へ?」
「会ってみないか、夢叶が異なる世から覗き見ていたものたちを」
「それは、会えるものなら会いたいですが」
よく考えなくてもこの人は元とはいえ将軍で、従っている将もたくさんいる。
呼びつければここに来るだろう。
しかしだからと言って私に会うためだけに、というのもいかがなものか。
それとも私に全国行脚しろとでも言うのか。無理だ。
「近々、毘沙門の朋がこちらへ来るそうだ。他にも今その方が言った名前が訪れたなら、会見の場を設けるとしよう」
「ありがたい申し出ですが、一体何故」
「目標があれば、生きる目的もできるだろう?」
にやりと笑った顔は楽しそうだ。
いいこと考えた、といった気持ちが手に取るようにわかる。
「生きる目的ができれば、生きる実感も感じやすくなる、と?」
「そういうことだ。それに久秀に教えたように、ほかの朋輩にも何か伝えたいことがあるのではないか? 異界の巫女よ」
まあ、確かに言いたいことがないではない。
特に今回は欝展開が多いし。
私のような小娘が口を挟んでいいのかと言われれば、それまでなのだけど。
「よろしくお願いします」
頭を下げるとしばしの沈黙のあと、笑い声がした。
何事かと顔を上げる。
「どうかしましたか」
「いや、その方が予に頭を下げるのは初めてだと思ってな」
そういえばそうだ。
色々とやばい気がするぞ。
今度女中さんに頼んで、最低限礼儀を学ばないと。
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