イレギュラー | ナノ

 第十話人を見かけで判断するな

「夜兎はどこに行きたいんだ? うん」
わたしと一緒に行動することになったのはサソリとデイダラ。
いわゆる芸術コンビだ。
二人ともどこに行きたいかで言い争っていたようだ。
聞き流してたから知らないけど。
「武器屋だろ?」
「遊園地だよな、うん」
『無法地帯』
物騒なことを言っているサソリと、なんだか予想通りのデイダラの意見をはねのけ、わたしはそう言った。
「何でまた」
『興味本位だよ。それに多分いろいろ情報とかもあるだろうから』
と、言うことでこの辺をウロウロすることが決定した。
何故なら、確か無法地帯の番号は、1〜29。
ここは13だからね。
サソリはヒルコから出ている。
ハタから見れば、同じ洋服を着た、14〜16才の子供達が手ぶらで歩いているように見えるだろう。
(一人30過ぎのオッサンがいるけど)
「何回見ても、旦那のその姿は完全に反則だよな、うん」
「何だ、 デイダラにもようやく永遠の美の素晴らしさがわかったのか?」
今サソリが余計なことを言ったと思う人手上げて。
はーい
「そんなわけないだろ、うん。
一瞬の美こそ芸術だぞ、うん」
「あ゛?んなわけねぇだろうが
喧嘩売ってんのか?」
「旦那こそ、やろうってのか? うん」
なんとなくピリピリとした空気が漂う。
普通なら震えが来るようなこの雰囲気も、毎度のことので全然怖くない。
慣れって、怖いね。
「僕たち、どうしたんだい? こんなところで」
嫌な笑みを浮かべながら、3人の男が近づいてきた。
さっきも言ったように、ハタから見れば、同じ洋服を着た14〜16才の子供達が、手ぶらで歩いているように見えるのだ。
しかも、うち二人は美少年。
(一人は、正確には美中年だけれども)
人拐いがこれを見逃すわけはない。
でも、相手が悪かった。
「「うっせー!邪魔すんな!(うん!)」」
見事にハモり、ハモったことに対してもお互いに腹を立てている。
仲がいいな〜(←完全に他人事)
「このガキ、舐めやがって!!」
一人の男が銃をサソリに向けて撃った。
と、彼の傀儡によってはじかれる。
「何!?」
「何はこっちのセリフだ。
いきなり銃なんて撃ってきやがって。
覚悟は出来てんだろうなぁ?」
繰り出した傀儡の武器は確実に男の首元に当てられ、三人に恐怖を与える。
「俺は今、このクソガキのせいで、虫の居所が悪いんだ。手加減なんざしねぇぞ?」
「「「ひいぃぃ!」」」
さっさと逃げてしまった男達に舌打ちをした。
いや、あんた、初めて傀儡を見た人間の反応はそんなもんだよ。
反撃なんてする気も起きないさ。
そのあと数組の人拐いを撃退し、わたし達は新しいアジトへ戻った。

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