イレギュラー | ナノ

 第十六話海軍本部へ

「私が海軍元帥、センゴクだ。
お前たちが“暁”か?」
カモメ――――!!
ヤギ――――!!
夜兎は吹き出しそうになるのを必死にこらえる。
同時に連れの3人がそこをスルーしてくれることを切に願った。
「“暁”かと言われてもな」
『わたしまだ16だし』
なんとか持ち直した夜兎が再不斬に続く。
「ボクと再不斬さんが入ったのは昨日ですし」
「そもそも夜兎ちゃん以外は正式なメンバーじゃないですよね」
「え〜!? そんなに強いのに正式メンバーじゃないの?」
会話に口を挟んできたのは、背の高いアイマスクの男。
トビ、再不斬、白は警戒の色を強める。
「あなたは」
「あ、俺海軍大将のクザン。よろしくね」
白の呼びかけに答えると、クザンはへらりと片手を軽く上げ、挨拶をした。
『よろしくお願いします。
さっきの質問の答えですが、正式なメンバーになるのにはこれがいるんです』
夜兎は自分の首のチェーンにぶら下がった指輪を指差す。
と、同時に、これは喋ってもいいことだったのか、不安になった。
「今、10個しかないんですよ〜。
僕たち11人目からあとなんで溢れてるんです」
「へぇ」
トビがあとを続けたので、大丈夫だったと彼女は安堵した。
「さて、本題に入ろう。
お前たちは何者だ? 数々の大物と交流を持ちながら、全く情報がない」
先ほどよりも威圧的な雰囲気で、センゴクは尋ねた。
しかし、それにひるむような夜兎達ではない。
『何者かと言われましても、先程も言ったとおり、わたし達は下っ端ですから、情報は渡せませんよ』
少し肩をすくめながら、夜兎は言った。
『まぁ、安心してください。敵ではないですから』
味方でもないですけど、ね。
ぼそり、とつぶやいた言葉が拾われたかどうか定かではないが、センゴクは少し眉をひそめた。
『さてと。じゃ、お話も済んだところで』
『お金ください』
ニッコリと笑いながら、それでも有無を言わさぬ調子で夜兎は両手を差し出さした。
きっちりと懸賞金が支払われたのは、言うまでもない。

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