イレギュラー | ナノ

 第十四話二度目の白クジラ

「……い、おい!」
『はっ!』
いかんいかん、意識が遥か遠くに行っていた。
「帰るぞ、うん」
『分かった』
「なあ、夜兎」
甲板に出ると、エースが話しかけてきた。
「俺たちの家族にならないか?」
『悪いけど、それはペインが決めることだよ』
わたしが決める事じゃない。と肩をすくめる。
エースがペインに目線を向けると、彼は涼やかに言った。
「まだ俺たちはこの世界での身の振り方を考えなければならない。
そう安易に海賊になるわけにはいかないんでな」
「……そうか」
『まぁ、また会いに来るよ!』
「あ、じゃあこれ」
白い紙切れを手渡される。
これは、もしかして、
『ビブルカード』
「これがあれば、俺たちがいるところがわかるだろ?」
ニカッとエースが笑う。
「またな、夜兎!」
『うん、また!』
見送る人々に手を振りつつ、新しいアジトへわたし達は移動した。
そこに信じられないものが送られてきているとも知らずに……。

prev / next

[ back to top ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -