イレギュラー | ナノ

 第十三話主人公組とご対面!!

――sideゾロ――

いきなり現れた黒衣の集団。
その中に見知った二人の顔を見つけた。
どうやら噂の仲間らしい。
なんか魚人が一人混じっている気がするが。
「その美しい夜色の瞳に僕は打ち抜かれてしまった!
ああ!この胸にたぎる思いを僕の辞書では伝えきれない!」
……あのバカが。
アホコックがいきなり一番年下の女を口説き始めた。
身長は若干高めだが、顔に幼さが残る。
十五、六歳ってとこか。
つらつらと語られる耳が腐るようなセリフを、あいつ――夜兎は微笑んで聞いている。
一人仕切りバカが話し終えたあと、彼女はこう言った。
『サンジさんの髪の色って素敵ですね。
まるで太陽の光みたい』
……は?
唖然としている周囲をよそに、夜兎はさらにバカを褒めちぎる。
と、バカコックの顔が赤くなり、硬直した。
とたんに彼女が笑う。
『前から一度やってみたかったんですよねぇ。口説き返し』
どうでした? そう言う夜兎は酷く悪い顔でニヤニヤしている。
生まれて初めてサンジに同情した。
『あれ? サンジさん?』
まだ硬直しているようだ。
ほんとに同情する。

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