青い空 青い海
色彩豊かな花たち
美しい島沖縄
そんな所に転校してきた
やぼったい女の子
『マイサンシャイン』
「田中ちゃん!海に行こうよ!」
クラスの全員が明るいこの学校では、こんな私にも声をかけてくれる
でも…
「ご、ごめんなさい。私…泳げないし…」
ああ、私のいくじなし一緒に行きたいくせに断ってしまった
クラスの子達も。(そっかぁ)とか(残念だね)などと各々呟いて教室から出て行ってしまった
「…うぅっ」
自分で断った癖に涙が出てくるなんて調子がいいにも程がある
教室で1人きりになった私は、ぐすぐすと泣きじゃくっていた
どうせ1人ぼっちなんだから、と思っていたが不意にガラッと音を立てて開いたドアにビクリと体を震わせた
「あー…っと、あったあった」
独り言を呟きながら机をゴソゴソといじっている、その人の方をぐしゃぐしゃになった顔を隠しながらチラリと見た
「(あ、綱海君だ…)」
いつもクラスのリーダーとなってみんなを引っ張っていく綱海の事は花子も流石に知っていた
「(私もあれくらい明るくなれたら…)」
「何してんだ田中」
「ふぉあぁあっ!?」
考えにふけっていた花子の前に、いつのまにか綱海が立っていた
「あの…あの…」
「?…もしかして泣いてんのか?」
「うっ、泣いてない…よ」
今更やっても遅いと思うが、顔についた涙を袖で拭いながら泣いていた事を隠そうとした
「んー…」
そんな花子の様子を見ていた綱海は、うーんと唸りながら何か考えているようで花子は頭の上に?を浮かべた
数秒後何かを閃いたように綱海の顔が明るい笑顔になった
「よし!海に行くぞ田中!」
「うん…っえ!?今なんて」
綱海の笑顔に少し見とれていた花子はつい返事をしてしまい、もう一度何て言ったのか確認しようとした頃には綱海に手を引かれ教室を出ていた
突然の出来事、何故私は綱海君に手を引かれ海に行こうとしてるの?と花子の頭の中は混乱していた
「海でひと泳ぎすれば元気になるって!」
なんという綱海理論!花子は脳内でツッコミを入れたが口には出せないので何とか飲み込み
「つ、綱海君!私泳げない!」
「へぇ…じゃあ俺が教えてやるよ」
「そ、それに私どんくさいし」
「だーいじょうぶだって!」
そう言って私の手を引っ張っていた綱海君が振り返りニカッと笑った
その笑顔はとても輝いていてまるで太陽みたいで、綱海について行けば全てが輝いて見える気がした
「お、泳ぐの…頑張ってみよう…かな」
「おう!ほら、もうすぐ海だぞ田中」
……………
きらきら太陽の光を浴びて輝く海
自分の横に居る女の子はとても先ほどまで泣いていたとは思えない位楽しそうに笑っていて
その笑顔はまるで太陽みたいだった
(ど、どうしたの綱海君?私の顔に何かついてる?)
(ん?んー…いや田中は笑った方が絶対可愛いよなーと思って)
(え、ええ!?)
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