さすがに海で鍛えた体も、日本代表としての練習をこう毎日すると流石に疲れる
飯を食って風呂に入ってみんなと少し雑談したりしてあとは寝るだけ…だった
ベットに入るとすぐにくる睡魔、スゥ…と眠りに入ろうとしたその時
ドンドンドンッ!
部屋のドアを太鼓のようにならされ花子の声が聞こえた
「助けろー!助けてー!助けてくださいいいぃぃ!!」
『G』
急いでドアをあけると、そこには涙で顔をぐちゃぐちゃにした花子が立っていた
「ど、どうしたんだ花子!何かあったのか?」
「あれが…あれが出たァアアア!!」
…あれ?あれってなんだ?
「落ち着け花子!あれって何だ!?」
「あれって言ったらアレじゃない!!名前を言うのも恐ろしいイニシャルG!!!」
イニシャルG…あ、もしかして
「ゴキブ「その名前を言うな!」」
花子に口を抑えられて最後まで言えなかったが黒光りのアレに間違いなさそうだ
「ふぉにかふ、ふぉのへをはなへ」
「あ、ゴメン」
ぱっと手を放され一呼吸
話を詳しく聞くと、どうやらキッチンにゴキ…例のGが出たらしい。マネージャー達もビビってしまい明日、朝ご飯を作りに行けない!で、俺に助けを求めてきたらしいが
「何で俺なんだ?」
キッチンに移動しながら、疑問に思っていたことを聞いてみた
「え?だって沖縄ってこっちより全然大きいのが出るんでしょ?ならこっちのサイズのGなら余裕だよね!」
…その自信はどこから出てくるのか
確かに俺は別にGは恐くもなんともないが、こういう頼られかたはなんだかなぁ
「あ、それに……」
ぼそりと追加でつぶやかれたので花子の方を見ると、花子は少し照れくさそうに
「綱海なら私を守ってくれるよね?」
えへへと花子は笑顔で言った
あー!もう!!今のは反則だ!!
「おっしゃあ!Gでもクモでも何でもきやがれ!」
「素敵よ綱海!」
…………
スパーン!スパーン!
(まちやがれ!)
(ギャー!綱海そこ!そこ!)
ブーン…
(いぎゃああぁあ!!飛んだぁああ!!)
(花子!俺の後ろに隠れてろ!…俺がお前を守ってやるよ!!)
(つ…綱海………キュン)
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