「…不動」
「どうした花子」
「不動は猫みたいね」
私の言葉がいまいちピンとこないのか彼は怪訝な顔をした
「俺のどこが猫だ」
「私が構って欲しいときにはどこかに行って、そっとしといて欲しい時に近づいてくる所」
『猫と病人』
私は今日少し体調が悪い、いや結構悪い
もしかしたら熱があるかもしれない
そんな状態なのに今、不動に腰に手を回され不動の足の間で座っている形になる
そんな状態なのになんで不動を家に上げたのかって?それはこいつが勝手に入ってきたからです。
「ああ、確かに顔色悪いな」
分かってんのかよ!!
と、つい脳内ツッコミを入れてしまう
「もぅ〜…分かってるなら放してよぉ」
「ふん…よし分かった」
そういうとすぐに放してくれた
なんだ結構話がわかる時もあるんじゃないか。と思っていると
「俺が花子の看病をしてやる」
「……はい?」
「とりあえずベッドによこに「いやいやいや」」
私が?不動に?看病される?
嫌な予感しかしない!!
「あのー自分でなんとかできますので、このままお引き取りしてくれたらいいです帰れ!」
ビシッとドアを指差すとフッと不動が笑い
「そうかそうかそんなに俺に看病されるのが恥ずかしいか」
…だめだこいつ早く何とかしないと
どうやったら帰ってくれるのか思案していると私の体がふわりと浮いた
「…不動君なにをしてるのかな?」
「ベッドに運ぼうとしてるんだ」
だからっていきなりお姫様だっこですか
「顔が赤いですよ、お姫様?」
私の顔を見てニヤニヤしている不動に苛立ちながらも、華奢な体なのに私を軽々持ち上げる所に少し惚れ直したなんて絶対に言ってやらない!
……………
(ね、熱出てきたのかもしれないから早く下ろして!)
じたじたと暴れてみるとベッドに下ろしてくれた
しかしほっとしたのもつかの間
(汗をかいたんじゃないか?早くパジャマを脱がないと)
ああ…神様
不動がとてもいい笑顔をしています
私のパジャマを脱がしながら!
(―ッ!脱がすな変態!!とっとと帰れぇええ!!)
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