静かな午後
部屋にいるのは俺と花子だけ
ゆっくりゆっくり時間が過ぎていく
『すきスキ好き』
俺がサッカー雑誌を読む横で花子が英語の勉強をしている
もうすぐテストが始まるから教えろ、と俺の家に上がりこんできたのだ
「うーん…わかんない」
「どこ?」
「ここ」
……
「ふぅー休憩ー」
一時間ほど勉強すると、だれたのか花子は大きく伸びをした
「英語苦手なんだろ。もう少し頑張らないか?」
俺が勉強の延長を誘うと花子はうーん…と唸り、こちらに振り向き
「私には土門がいるから大丈夫!」
花子はそう言うと、こてんと寝転び俺の足の上に頭をのせた
「まったく…」
「えへへー。ねぇ土門」
ニコニコと笑顔で花子が俺の瞳を見ながらこう言った
「私。土門が大好き!」
…
(俺も花子が一番好きだ)
頭を撫でてやると
うふふと花子が目を細めた
(なら私は世界で一番土門が好き!)
(お!なら俺は…)
貴女が宇宙で一番好き!
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