epilogue 無限の蒼穹と、終わらない旅と、沢山の冒険に、憧れた。 初めて降り立った、異世界。 大きな街と、風が吹き抜ける、何処までも続いていそうな草原。 これから、好きな時に、何時でも。 この世界を冒険出来るんだ。 そう、心躍ったあの時を、きっと私は何時までも忘れないだろう。 ___そして、あの時。 世界はその有り様を、永久に変えた。 ここは、仮想世界では無くなってしまった。 現実世界でも無い。 なら、此処は何処だろうか? 夢、とも考えた。 でも、夢では無い。 夢の中では、誰も死なないから。 ならば、矢張り、現実だ。 この世界は現実。仮想の偽物など、なに一つとして存在しない。 そして、現実では、生き物はいつか死んでしまう。 それならば、私はこの世界で死ぬまで、何をしようか。 腰に吊るされた、微かな重みを思い出す。 そうだ、私がこの世界に来た理由。 無限の蒼穹に憧れた、終わらない旅に憧れた。 ______沢山の冒険に、憧れた。 この剣一つで、何処まで行けるのだろうか。 憧れた故に、苦もなく頭に叩き込まれた情報を引っ張り出す。 次へ進もう。 いつか倒れるまで、走り続けよう。 怖く無いと言ったら嘘になる。 それでも私は、もっとこの世界を見てみたかったんだ。 走り出す理由なんて、それだけで十分じゃない? back |