「ん……」



カーテン越しの朝日にまどろみながら、まだ眠たい目をこする。


今日は夕飯の買い物以外に出かける用事もないけれど、なんとなく早く起きてしまった。


今日はなにをして過ごそうか。


親友のミリーとは昨日会って食事したばかりだし、先週買った本も先日読み終えてしまった。


なら彼がいつ帰ってきてもいいように部屋の掃除でもしようか、なんて考えながら身支度をしていると、ふいに玄関の呼び鈴が鳴る。



「はぁーい」



ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら玄関へと急いだ。


今日は来客の予定もないし、ネットでなにかを注文したわけでもない。


なら隣の隣に住んでいるおばさまだろうか、それとも向かいの若奥さんだろうか。


まぁどんなに推測したって、どのみちドアを開けるまではわからないのだけど。


今時インターホンもつけていないのか、と馬鹿にされてしまいそうだが、こんな田舎じゃそんなもの付ける意味もないのだ。


こんな朝早くに訪ねてくる人なんて、風変わりな親友か、親しく付き合っているご近所さんくらいに限られてくる。




あぁ…あと、もうひとりだけ。



「お待たせしましたー」




ドアを開ければ、ひどく見慣れたにやけ顔の長躯が立っていた。



「ただいま、***」



そう言ってこの家に入るのは、わたしと彼だけ。



「おかえり、ヒソカ」



微笑みながらそう返すと、ヒソカは満足そうに笑って、その大きな身体でわたしを抱きしめた。






幼なじみのヒソカくんです


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