▼ おまけ
「ママ、おふろはいろー」
「駄目だ駄目だっ。今日は、ママはパパと入るんだからっ」
「むぅっ。ママっ。ママはぼくのほうがすきだよねっ!?」
「何をぅ!?それはいくら息子でも許せないぞっ!!!ママはパパの方が好きだからパパと結婚したんだ!!!」
「ぼくおとなになったらママとけっこんするもん!!!パパはばついちになるんだよっ」
ヒュウガと息子が、キッチンで洗い物をする私に詰め寄ってきた。
「どこでそんな言葉覚えたのよ。二人共大好きだから二人でお風呂入ってきて」
「はーい」
「ママとはいるぅっ」
だだをこねる息子を抱えてヒュウガがお風呂場へ行った。
なんだかなぁ…。
愛されてるのは嬉しいんだけど、まだ五歳の息子と張り合うのはやめてほしい。
幼稚園の先生に羨ましがられるのだって恥ずかしいんだから。
「よし、終わり」
お風呂場を覗きに行くと、二人の楽しそうな笑い声が廊下まで響いていた。
脱衣場に二人分の寝間着を置いて、リビングに戻った。
暫くして、髪の濡れたままの息子がぱたぱたと走ってきた。
「ママっ。かみのけかわかして」
「ここおいで」
膝の上に座らせて、湿った髪をタオルで拭く。
「あ、いいなー。後で俺もvv」
「自分で乾かしてきなさい」
「ちぇっ」
ある程度乾かして、ヒュウガに渡す。
「パパにドライヤーで乾かしてもらいな」
「はぁーい」
時計を見れば、もう9時。
早いな…。
「かわいたよっ」
「じゃあ、おやすみ」
「えーっ!?まだねむくないよ」
「何言ってるの?そんな眠そうな顔して」
「むぅ…」
ちゅ、と額にキスして、微笑む。
「早く寝ないと、幼稚園のバスに乗り遅れちゃうよ?明日は猫さんのバスでしょ?」
「あっ!!!そうだった!おやすみなさいっ」
慌てて部屋に走っていく。
それにしても、
「何で今日はあんなに寝たがらなかったんだろう?」
「んっとねぇ、俺が言ったんだ」
「何て??」
「パパとママは、お前が寝た後たのしー事するんだよvvって」
「五歳の息子になんて事言ってんのよっ!!!!!!!!//////」
「あは☆まぁまぁ。ななし、今日も待っててくれてありがとね」
「どういたしまして。私はあなたの帰る場所ですから当然です」
end.
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