捧げ物 | ナノ


▼ 02

西棟37階。
帝国に沈む夕日が臨めるこの部屋を、私は意外と気に入っている。
この季節ならば、そろそろだろうとなんとなく窓から外を覗いた。
普段ならば誰もいない中庭に、自分のベグライターがいる事に気付く。

アイツ…。

資料を提出してくると言って、なかなか帰って来ないと思えば…。
ヒュウガのサボり癖が移ったか?

早く帰って来いと念を送りつつ、暫く観察していると、ただ立ちすくんでいるだけではないらしい。
何かを見上げているようだ。

時折手を伸ばし、諦めてはまた手を伸ばす。
視線は上に向けたまま。
一体何をしているんだ?

気になってしまった私は、仕事を一段落つかせると休憩代わりに参謀室を出た。









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