捧げ物 | ナノ


▼ 06

「………」

『しつむしつ』。
きょうはアヤがこわい。
ずっとおこってる。

「アヤ、なにかあったの…?」

ななしがかおをなめたら、アヤはいつもみたいにわらってくれたけど…。

「にゃう?」

アヤにぎゅーってされた。
いつものちがう。
いたいくらいぎゅーって。

「アヤ?」
「………」

アヤおかしいよ。
どうしたんだろう?

「…第一艦隊の糞爺共が、ななしを見たい、と」
「にゃう?」
「アヤナミ様…」
「お前は癒し系が使えるし、その猫並の身体能力は、今は幼いが将来『使える』と判断された」
「にゃー??」

アヤのゆうことがむつかしくて、ななしにはよくわかんない。

「成長過程をしっかり報告しろ、と。監視して自分達の利益になるものに育てるつもりだろう。元々、私が預かっていたのも、懐かせて使う為に私が選ばれただけなのだ」
「そうだったんですか…」
「にゃん♪」

アヤがあたまなでなでしてくれて、きもちい。
おれいに、すりすりしたらわらってくれた。

「…ななし、会議に着いてくるか?」
「にゃ?」
「私達が行っているやつだ」
「アヤとカツラギと?」
「ああ」
「いく!!」
「…………退屈だと思うぞ?楽しいものではないぞ?」

アヤは、ななしにきてほしくないのかな?
こまってる。
ななしがいきたいってゆったから?

「にゃう…」
「お前が来たいなら止める事はしないぞ」
「にゃ?」
「ななしに嫌な思いはしてほしくないのだ」
「にゃ!!ななしは、アヤがいればやなおもいなんてしない!!」

かおをなめたら、またぎゅーって。
ななしはアヤといたい。
カツラギもコナツもクロユリもハルセもすきだけど、アヤがいちばんすき。

「…では行くか。ヒュウガ、ついて来い」
「え?なんで俺??カツラギさんいるじゃん」
「上層部の連中は貴様を嫌っているからな」
「あぁー、確かに。カツラギさんじゃオギの事もあるし、ちょっと迫力に欠けるかもねー」
「カツラギ、お前はどうする?」
「ヒュウガ君一人の方が圧力になると思いますが、会議の間ななしちゃんの相手をしていたいのでついて行ってもいいですか?」
「カツラギも!!」
「では私も行きます」
「にゃあ♪」

ヒュウガは、こわい。
いっつもうそわらいしててこわい。
だから、ななしはカツラギにいてほしい。

「では、カツラギ頼んだ」
「ええ。任せて下さい」

コナツとクロユリとハルセにいってきますして、うさぎさんをだっこしてアヤとカツラギと、ヒュウガをおいかけた。
さんにんは、『かいぎ』のはなしをしながらあるいてる。
せがおっきいから、あしがはやい。
がんばっておいかけた。

ゆかに、キラキラしてるのをみつけた。
キラキラ……。
すわって、キラキラをひろってみたら、ガラスだまだった。
アヤが、いっこかってきてくれたのとおなじやつ。

「にゃ!」

アヤにみせようとおもってまえをみたら、だれもいなかった。

「にゃう…?」

まえにすすんだら、まがりかどがあった。
まわりをキョロキョロみても、だれもいない。
しらないひとばっか。

「にゃあ………っ」

どおしよう。
アヤもカツラギもヒュウガもいない。
ななししらないとこでひとりぼっち。
にゃうー………。









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