▼ 03
にゃう…。
アヤがかまってくれない。
おしごとのばしょにむりゆってつれてきてもらったから、ジャマしちゃダメだし…。
「………」
なにか、おてつだい。
アヤのやくにたつことしたい。
「アヤ、なにかすることある…??」
「ん?いや、いい。ななしはゆっくりしていろ」
にゃ…。
うー、なにかないかなぁ…。
アヤのおひざのうえからおりて、ゆかにすわってかんがえる。
アヤはおしごと。
がんばってる。
なにかやくにたつの…。
「お茶淹れてきますね。アヤナミ様もいかがですか?」
「む…。頼む」
おちゃ。
ななしがいれたらアヤよろこんでくれるかな。
おっきいおとこのひとがおちゃをいれるってゆってたから、そのひとのあとをおいかけた。
「ななし?」
「にゃー」
アヤによばれたけど、へんじしただけではしっておとこのひとをおいかけた。
「…ななしがカツラギを追いかけて行った」
「カツラギさんを気に入ったのかな??」
「ならいいのだが…」
おとこのひとをおいかけて、『しつむしつ』とはべつのおへやにはいった。
「にゃ」
「おや、ななしちゃんですか。何か私にご用ですか?」
おとこのひとは、ななしにあわせてしゃがんでくれた。
「ななし…アヤにおちゃ、いれるの…っ」
「そうですか。では一緒に淹れましょうか」
「ななしがいれたら、アヤ、よろこんでくれるかな…?」
「ええ。アヤナミ様は絶対喜んでくれますよ」
「にゃー//」
あたまをなでなでされた。
アヤとおなじくらいおっきいてで、あったかくてきもちかった。
にゃー…//
「さて。では淹れましょう」
「にゃっ」
「仲良くしましょうね」
「にゃっ!!」
ニコっとわらったカツラギはとってもやさしそうだった。
いいひとだ。
「ななしちゃんの身長ではすこしきついですね…。そうだ」
カツラギはななしをだっこして、つくえのうえにのっけた。
「ななしちゃんは裸足ですからね。まずは足を洗いましょうか。そうすれば机の上も歩けますし」
「…おみずであらうの?」
「はい。……あ、水は苦手でしたか?」
「にゃう…」
うなずいたら、カツラギはタオルをもってきた。
ななしをはしっこにすわらせて、カツラギはタオルをぬらしてななしのあしをきれいにふいてくれた。
「これならいいですね」
「…ありがとう」
「どういたしまして。そのぬいぐるみは少し留守番してもらいましょうね」
カツラギが、ななしのうさぎをおとなりにおいてくれた。
やっぱりカツラギはいいひとだ。
それから、ななしはカツラギのゆうとおりにおみずをいれたりはっぱをいれたりした。
ひはあぶないから、カツラギがしてくれた。
「よし、ではななしちゃん、注いであげて下さい」
「にゃっ」
そおっと『どびん』をもってゆのみにおちゃをいれた。
「後はアヤナミ様まで持って行くだけですね。…危ないので私が持ちますよ」
「にゃん」
うさぎをだっこして、ぴょいっとつくえからジャンプしてカツラギのかたにのった。
「ふふふ。では行きましょう。落ちないように気をつけて下さいね」
「にゃんっ!」
カツラギがおぼんをもって、『しつむしつ』にもどった。
ななしがカツラギのかたのうえにのってるのをみて、アヤはすこしびっくりしてからうれしそおにしてた。
「アヤナミ様、お茶です。ななしちゃんが手伝ってくれたんですよ」
「アヤ、ななしおちゃいれた!」
カツラギのかたからアヤにジャンプした。
ちゃんとちゃくちして、アヤにぎゅってくっつく。
「ふっ…」
「うれしい?」
「勿論だ」
あたまなでなでされた。
カツラギもきもちかったけど…。
やっぱりななしはアヤがすき。
「はい。ななしちゃんにはミルクを持って来ましたよ」
「にゃん!」
カツラギがアヤのつくえのうえにミルクをおいてくれた。
たおさないようにちかづいて、ぺろっとなめる。
おいしい。
「飲み方が気になったのですが…やっぱりそっちなんですね」
「広めの皿に入れた方がいいな」
「持ってきますね」
「ああ」
マグカップにミルクがはいってるから、さいしょはいいけどだんだんべろがとどかなくなってくる。
んーーっ!
「はい、ななしちゃん」
「にゃう?」
「お皿です。移した方が飲みやすいですよね」
ひろいおさらにカツラギがミルクをいれてくれた。
やっぱり、カツラギいいひと。
「カツラギすきっ」
ななしはつくえからカツラギにとびついて、ほっぺたをなめた。
「嬉しい限りです」
「にゃ♪」
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