捧げ物 | ナノ


▼ 02

「ヒュウガさん?これアヤナミ様に絶対怒られます!!後で私も一緒に怒られるんですよ!?」
「大丈夫だってー。アヤたんってなんだかんだで女の子に弱いんだから☆##NAME1##がしゅんとしながらごめんなさい…って言えば許してくれるよー」
「…それより、自分の心配は?ヒュウガさんが一番大変な事になるんですよ!?私もうあんなミミズ腫れを手当てするの嫌ですよ!?見てるこっちが痛いんですから!!」

私はななし。
ブラックホークで雑用係(?)しています。
雑用係の仕事は主に、
皆さんの必要な書類を代わり取りにいったりだとか、
忙しい皆さんの代わりに届けなければいけない書類を届けたりだとかで…。
決して仕事を肩代わりする事ではないんですけどね。
基本的に私はヒュウガさんの代わりに書類整理をしています。
なのでヒュウガさんが執務室を抜け出した時は私が仕事をしなければいけないはずなんですけど…。
何故か私までヒュウガさんと一緒に執務室を抜け出してしまいました。

私は入軍当初から彼に物凄く気に入られてしまって、何かと私に構ってくれるのは凄くうれしいんだけど…。

「さっ、行こうか!!こないだ抜け出した時に、昼寝にめっちゃちょうどいい場所見つけたんだー!!」
「ちょっ、ヒュウガさん!!;;;」

私の手を引いて、歩き出すヒュウガさん。
アヤナミ様に怒られても知りませんからねー。





「ここここ!!」

ザアッ

「わぁ……」

街を抜けて、歩く事数十分。
自然豊かな広場が目の前に広がっていた。

今日は、太陽が出ていてとても温かい。
それに、風が少し吹いていて、ひなたぼっこをするにはいい天気。

「ね?いいトコでしょ??」
「はいっ!!」

こうやって、ヒュウガさんは抜け出す度に私に綺麗な景色を見せてくれる。
こういう時、不覚にも抜け出してよかっただなんて思ってしまう。

「昼寝ー♪」

ヒュウガさんが地面に寝転がって、目を閉じた。
青々とした草は、優しく彼の体を受け止めて支えている。
また風が吹いた。

木々の葉が歌を歌い、
草が体を揺らし、
花が踊る。
ヒュウガさんの髪が風に吹かれてはしゃいでいる。

どうしてこの人は、何をしてもこんなに絵になるんだろう。
すごく、かっこいいと思う。
仕事しないのはすごく困るけれど。
飄々としているけれど、分かりやすいし。
人の事考えてないようで、きちんと考えてるし。
見てないようで、見てるし。
人懐っこいと思えば、とても冷たい人。
冷静で、あのアヤナミ様に負けず劣らず冷徹な人だと、思う。

でもやっぱり優しい人。
私の初恋相手。









.

prev / next

[ bunki ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -