黒木綿×桜 | ナノ


▼ 03

「おっはよー凛々蝶!!」
「凛々蝶ちゃんおはよvv今日はパーティー日和ねっvv」

翌日。
朝から野ばらと二人で凛々蝶の部屋に押し掛けた。
私は制服。
野ばらは胸元の開いたドレスを着ている。
今日は凛々蝶やカルタ達一年生の懇親会。
セレブ学校なので、勿論通ってるのはどこぞのお嬢様とかお坊っちゃま。
特にお嬢様は今日の日の為にコンディションを万全に整えているはずだ。
私は何もしてなかったけど。

「ふん…何か用か…。おはようございます…」
「凛々蝶!?どうしたの!??」

凛々蝶のコンディションは最悪だった。

「いつもより更に白くて病的よ!?病弱少女メニアック!!」
「野ばら、心配しようか」

親指を立てる野ばら。
凛々蝶につっこむ元気もないようなので、私が代わりにつっこむ。

「凛々蝶、着付け手伝ったげる」
「さあさ用意しましょvv髪も整えてあげる」
「何だそんな用事か。自分でできる」

嫌がる凛々蝶の背中を押して、とりあえず部屋に入る。
凛々蝶は会話に夢中で気付いてない。
可愛いなぁほんと。
野ばらが凛々蝶に向かってブラについて力説しているのを私は聞き流す。

「ふ、ふん。よっぽど世話好きだな。まあ宜しくお願いしようか」
「そうこなくちゃvv」

なんやかんやで野ばらの泣き落としが成功。
凛々蝶の身なりを整える。
と言っても私は野ばらの助手だから、私が何かする訳じゃないけど。

「そんなに緊張しなくていいのよ。あたしはただ凛々蝶ちゃんと仲良くしたいだけなんだから」

野ばらが凛々蝶の髪をとかしながら、話をしていく。
ここで、双熾の話を凛々蝶にしないと。
でも、どうやって?
いつ?

「ところで凛々蝶ちゃんのこのクマの原因は御狐神なの?」
「!」「…」
「はっ。何故だ?彼など僕にとっては取るに足らない存在だ」
「じゃあ御狐神とじゃなくてあたしと組まない?凛々蝶ちゃんvv」
「ふん。折角だが元々SSを雇う気はなかったんだ」
「でも御狐神とは契約したのね。じゃあ早く仲直りできるといいわね」

ぱち、と。
野ばらが私に向かって片目を閉じた。
それに笑顔で返す。

「うん。凛々蝶が元気ないの、私達も心配だから」
「千本木さん…」
「双熾と接点のある私が言ってもあんまり信用出来ないと思うけど…」
「そんな事は…」
「私、二人が仲良くしてるの好きだよ」

落ち込んでる凛々蝶も、双熾も見たくないから。
早く仲直りしてね。





『えっと、初めまして?』
『……千本木遙』
『おー、よろしくな、遙』

『そんなにタキシードが似合わない人初めて見た』
『え、酷。遙はまた…懇親会にそんな……』
『だって家にろくなドレスなかったから。それに、嫌いだし』
『はは、浮きまくり二人は固まって大人しくしてますか』
『……ん』










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