黒木綿×桜 | ナノ


▼ 01

今日から学校。
いつもより早めに起きて、連勝を起こす。
うわー、高校3年生だ。
受験生だやばいなー。

「おはよう遙ちゃんっ!!制服をちゃんと着ないのもメニアック!!」
「おはよ、野ばら」

堅苦しいスカーフを取り去ってボタンを開け、上からだっぼだぼのパーカーを羽織った格好。
連勝だって学ランの袖まくりあげて、中はTシャツだ。
暑い日はタンクトップだし。
ちょうど朝ご飯を食べ終えた頃、凛々蝶が来た。

「凛々蝶ちゃんの制服姿…メニアックッッ!!!」
「おはよー凛々蝶」
「ふ、ふん。今日から学校だからな。おはようございます…」

それからはいつも通り野ばらがセクハラしたり双熾と凛々蝶の夫婦漫才だったりで、時折参加しつつ騒ぐ。
と、双熾と野ばらが凛々蝶の明日の懇親会の話を父兄のようにしていた。

「懇親会か〜懐かしいな。あったなぁそんなの。2年前。なぁ、遙」
「そだねぇ。でも私は連勝の浮きまくりの姿が昨日のように思い出せるよ」
「遙も浮いてたけどな」

野ばらも凛々蝶も双熾も、連勝を見て固まっていた。

「…お兄さまは高校生でいたしたのですね」
「ぶふー!ね!?見えないわよね絶対ニッカポッカか取り立て屋よね!?」
「待って野ばら!!893とパチプロという線も…!!」
「そういえばまだ高校生だったな…」
「お兄さまは大人びて見えますね」
「フォローありがとお」

普段着の連勝を思い浮かべる。
ジャージ姿、私服姿……。

「大人びてというかふけg」
「お願い遙ちゃんそれ以上言わないで」

本気で項垂れていたので止めてあげる事にした。
それから、先輩の私と連勝で凛々蝶と双熾を学校まで歩いて案内する。
帰り道の買い食いスポットとか、ゲーセンとかカラオケとか安い本屋とか高校生ならではの遊び場や穴場を紹介しつつ。

「あそこのカラオケは安いから結構人気。そこのゲーセンは種類は少ないけど中身はレア物が多い」
「あと、あの本屋は土曜日にジャ○プが売ってる」
「ここのコロッケは美味しいし安いよ」
「俺らもよく買い食いしたもんなー」

凛々蝶は、くだらないものばかりなのにふむふむと真剣に聞いてくれる。
可愛い。
妹がいたらこんな感じかな?

「反ノ塚ー。千本木ー」
「おー。久しぶり」
「おはよ。元気そうで何よりだよ」

2年の時のクラスメイトに遭遇したので、流れで一緒に歩く。
可愛いと言われた凛々蝶が照れててすっごい可愛い。

「ところで千本木」
「はいはい?」
「例の件は一体…!!」
「あぁ。大丈夫、フリーっぽい」
「ぃよしっ!!」

こいつは私の友達のとある女の子が好きなようで、ちょいちょい私に情報を差し出せと要求される。
奢ってもらえるのでほいほい教えてあげるんだけどね。
そこまでプライベート侵害にならないものを。

「ダッツ」
「まじで!?」
「おう。本当に感謝してるぜ!」
「やったぁ!!クッキークリーム一択で!!」
「お、じゃあ俺バニラ」
「何どさくさに紛れてんだよ反ノ塚。お前の分はねぇ!!」

ぎゃいぎゃいじゃれながらの登校。
春休み前と何も変わってない。

「じゃあね、凛々蝶!!」
「ああ」
「頑張れよー?」
「ふん」
「行ってらっしゃいませ」

クラスはまた連勝と一緒。
ちなみに、一緒に登校した奴もまた一緒。










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