黒木綿×桜 | ナノ


▼ 06

服を見たり北海道物産展を見たりしていたら6時になった。
部屋に戻ろうとする凛々蝶と双熾をラウンジに連れていく。

「ただいまー」
「何故ラウンジ?」
「いーからいーか、ら」

ガンッ
急に扉が開いて、出てきたのは野ばら。

「あら」

連勝はその拍子に一反木綿の姿に変化していた。

「おいおい。挟まれてペラペラになっちゃったじゃん」
「お兄さま」
「つっこまないわよ。それどころじゃないの」

よかった。
ケーキ私が持ってて。
連勝みたいに潰れる所だった。
それより。

「それどころじゃないってどうしたの?」
「カルタちゃんにおつかい頼んだんだけど帰って来ないの。もう逢魔が時よ…。何かあったんじゃないかしら」

窓の外を見れば夕暮れ。
カルタは強いとはいえ、危険だ。
それに…。
今日は仕事がある。
ここらへんに、霊殿の私の匂いを嗅ぎ付けてやってきたのがいるかもしれない。

「仕方ねーな。じゃあ探しに行くか」
「凛々蝶さまはここでお待ちを」
「言ってる場合か。早く済ませるぞ」
「そうね。完全に闇に落ちれば更に危ない」

私達は近くの森林公園に。

「多分帰り道にはこの公園を通るはずよ」
「広いから手分けしようぜ。初ケータイの番号教えろよ」
「ふん。最初の使い道がこれとはな」

凛々蝶のケータイ番号を登録する。
よし。

「私はあっち」
「遙、」
「私は戦えるから一人でも大丈夫。連勝は」
「あー、俺も気にすんな。何かいたら全力で逃げるから」
「そうね。連勝怪我したら野ばらに殺されるから」
「おー…。妖怪より野ばらのが怖ぇえ」

自分で自分の体を抱き締めて震える連勝。
あはは、と笑う。

「じゃあ」
「おー」

一足先に走り出す。
自分の仕事を終わらせに。










to be continued.

prev / next

[ bunki ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -