▼ 04
チンッ
エレベーターがこのフロアに到着した音。
私服を来た私と連勝は、エレベーターに乗り込んだ。
そして、一階上のボタンを押す。
「凛々蝶の事だからなー。6時まで時間潰せないよな。どうする?」
「私、服見たいんだけどいい?」
「おー」
全然違う話だった。
こっちこちに緊張してる私に、連勝は笑っていつもみたいに髪を撫でながら言った。
今日、凛々蝶と双熾の歓迎会をするらしい。
野ばら達が準備をするから、私と連勝は凛々蝶と双熾を連れて6時くらいまで外出していて欲しい、とのこと。
「俺らはついでにケーキ買って来いってさ」
「ん。分かった」
エレベーターを降りると、凛々蝶に平伏すようにして座り込む双熾の姿。
「ほらね、凛々蝶。私の言った通りでしょ?」
「本当だな…」
「ん?何の話?」
「ガールズトーク」
おろおろしてる凛々蝶に、いつもカルタが私にするみたいにもふっと抱き付く。
お、いい。
凛々蝶かわいい。
「なななっ、何をするんだ君はっ//」
「凛々蝶。双熾と買い物行くんでしょー?私達も連れてって?」
「そうそう。車だろ?乗せてって」
こうして。
双熾の運転する車で皆でショッピング。
「凛々蝶ぉー」
「だっ駄目だ駄目だっ」
「けち」
「うっ…」
「っ……僕は幸せです…」
「御狐神サン?前見て前」
後部座席でじゃれあう私と凛々蝶。
それをミラーで見て幸せそうに微笑む双熾。
そんな双熾に前を見るよう促す助手席の連勝。
「買い物って久しぶりっ!!」
「そういやそうだなー。学校あると帰りに行くけど」
「そうそう。わざわざマンション出てまで行くのはちょっと面倒だしっ」
このショッピングモールの姿も久しぶりだ。
さて。
まずは…。
「凛々蝶の買い物見よっか」
「いいのか?」
「うん。元々凛々蝶の買い物だしね」
「ありがとう…」
「どういたしまして♪さ、まずはどこ行く?」
「なら……」
案内も含めて、凛々蝶の手を引いてショッピングモールを歩き回る。
ついでに服を見たりしながら。
「…反ノ塚さま」
「ん?」
「僕は幸せすぎて、もう死んでもいいです」
「早まるな」
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