▼ 02
「皆さァーん。土方さん呼んできましたよー」
「いよっ!!待ってましたァァァ!!!!」
ななしがふすまの外から声をかけると、中からそんな騒がしい声が聞こえた。
な、なんだよお前ェら…。
そっそんな『俺を待ってた』なんて言ったら、隠してる意味ねーぞ、馬鹿かっ。
まァ、おっ俺は大人だからな。
誕生日なんて祝われても、べっ別に嬉しかねェし…。
ガラッ
ふすまを開けた先には。
「ガハハハッ。トシィ、遅いぞ!!もう豆配り終えたぞ!!お前が鬼だからなっ!!」
「いや、近藤さんそれ節分だし」
鬼の面片手に、隊士達に大豆を配る近藤さん。
なんか自分の歳の数だけ食ってるし。
「今日はこどもの日ですよ!?節分じゃありませんっ」
「そうだったのかΣじゃ、じゃあ何をするんだっ;;」
「五月人形を飾って、こいのぼり上げて…。あとは、ちまきとか柏餅を食べたりするんですっ」
「おおっ!!流石ななしちゃん!!!!」
「ちなみに、ちまきと柏餅は死ぬほど作ってありますから御心配なくっ」
「ウォォォォオオオオオオ!!!!!」
ちょっ、待て待て待て待て。
お前ェら本当にこどもの日だけか!?
なんか忘れてねェか!??
大の大人が集まって子供の日に宴会だと…!?
それだけでかなりイタいっつーのにっ!!
しかも俺誕生日だしな!?
「さぁさぁ、土方さんも早く食べないとなくなっちゃいますよ??今日は男の子の成長を祈願する日なんですからっ!!」
いやいやいやいや!!
その成長の結果の誕生日だけど俺!??
別に祝ってもらいたかった訳じゃェが…。
ここまであっさり忘れられてると…。
「トシィ!!お前ェも食え!!ななしちゃんのちまきと柏餅、美味いぞっ!!!!」
「……ああ」
なんつーか…。
こう……………。
かと言って言いだす訳にもいかず。
「ちょっ副長せっかくのちまきに何マヨネーズかけてんスか!!」
「ほっとけィ。話しかけると嬉しがって近寄ってきやすぜ??」
「オイてめェ総吾。なんで俺が変態みてェな言い方してんだ」
「え…。違ったんですかィ??」
「何心底不思議そうな顔してやがんだてめェ!!上等だ抜けェェェ!!!!」
なんだかんだで、いつもの宴会(?)に変わっていった。
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