▼ 02
ふ、と。
私とアヤナミ君の視線が交わる。
嬉しくて嬉しくて。
思わず。
アヤナミ君の視線はまだ私から反らされていないのに。
「(だ、い、す、き)」
口パクで伝えてしまった。
口を動かしてから後悔するも、後悔先に立たず。
ああ、しまった。
見られてた。
アヤナミ君はこっちがびっくりするくらい目を見張っていた。
しかもそのまま話していたヒュウガ君を無視してずんずんとこっちに歩いてきて、
「来い」
「ふぇっ??」
腕を掴まれて教室から連れ出された。
「アヤたんったらダイタぁ〜ン☆」なんてヒュウガ君の声が背後から聞こえたけど、アヤナミ君は無視。
えっと…え?
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