07短編 | ナノ


▼ 01

「テイトくん、誕生日おめでとう!!」

パーン、というクラッカーの音と急に視界を覆った紙吹雪に驚いて硬直するテイトくんを見て、ハクレンくんとフラウ司教は楽しそうに笑っていた。
動けずにいるテイトくんに苦笑して、頭についたままの紙吹雪を取ってあげる。

「え、えっと…」
「今日、テイトくんの誕生日でしょ?ずっとね、準備してたんだよ」

呆然とするテイトくんに、今の状況を説明してあげる。

「俺の?」
「うん」

みんな、テイトくんの誕生日を祝う為に集まってくれたんだよ?
そう言って、振り返る。
私の後ろには、本当に色んな人が集まっていた。
セブンゴーストの皆さん、司教さま、シスター、旅の過程で出会った人たち、オウカさまとその従者の方、ラグス王国とバルスブルグの王族の方、奥の壁際には帝国軍の人たち、元ブラックホークの人もいる。
そういった見知った人だけでなく、見た事もない、けれど心の底から自分の誕生日を祝ってくれている人も沢山いた。
その人の多さに、テイトくんはさらに目を丸くする。

「何度でも言うよ、テイトくん」



「「「「誕生日、おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう」」」」



「っ…、俺…っ」

じわりと、テイトくんの目に涙が浮かぶ。
私の腕の中にいたミカゲがやっと飛べるようになった翼でテイトくんの涙を拭うために飛び立った。

「ここにいるみんな、ここにこれなかったみんな、テイトくんの誕生日、祝ってるんだよ」


ミカゲ
フラウ
カストル
ラブラドール
フェア=クロイツ
ランセ
大司教
ラゼット
ウィーダ
リアム
カイル
カペラ
セイラン
シンファ=ハウゼン
エリクト
ルティア
レーナ
オウカ
クルル
ハクレン
ギョクラン
キクネ
オオルリ
シグレ
ミロク
カル
クレナ
ヒュウガ
コナツ
クロユリ
ハルセ
シュリ
スズ
ユキ
カール
パール
ミカエル
ラファエル
バム
モズ
リュウ
ネネ
ミカゲ
コクヨウ
コハク
リンカ
カイレン
ヴォルフラム=アイフェラー=バルスブルグ
ミレイア

アガス
マルク
カラン
バスティン
ギド
前預魂
前繋魂
前遺魂
イヴ
レム
リリン
マリー
マグダレン
ユキカゼ
ヴェルデシュタイン=クロム=ラグス
ワカバ=オーク
カツラギ
アヤナミ



「みんな、テイトくんが生まれてきてくれたから出会えたんだよ」

「ありがとう」

「たとえあなたの記憶から私たちとの出会いが消えてしまったとしても、」

「私たちが出会ったっていう事実は、永遠だよ」

「だからね、忘れないで」

「あなたが、沢山の人に愛されていること」

「愛されていたこと」

「そしてこれからも、愛されること」

「テイトくん」


「誕生日おめでとう」

「さよならは、言わないよ」

「また、逢おうね」










.

prev / next

[ bunki ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -