短編案、
じわじわと、汗が着ているシャツに染み込んでいく。
肌着を何か着ておけばよかった。
直接着たカッターシャツは、肌にくっついて鬱陶しい。
どうしてこの軍には半袖という概念がないんだろう。
そんな事を考え、去年と同じでどうせ突っぱねられるのだろうが、今年も同期であり上司でもある彼に夏服を作るよう頼んでみよう。
首筋に伝う汗を乱暴に拭って、空調が完璧に調節されているであろう執務室の扉を開ける。

開けた瞬間、体にぶつかる冷たい空気。
ただ、ここで常に仕事をする人へ配慮された空調の為、外にいたヒュウガには少し物足りない。

「あー、あっつ!!暑いよ、こりゃ温暖化も無視出来ない問題だねぇ。コナツ、クーラーの温度下げていい?」
「クーラーの温度を1度上げるだけで温暖化防止に繋がりますよ」
「無理無理!!この猛暑の中、クーラーの温度を上げるなんて出来ない!!真面目に外で仕事してきた俺へのご褒美だと思って!!汗が乾くまででいいから!!」
「……いいですか?皆さん」

アヤナミのいる参謀室へ行くのがクーラーの温度も触らなくて済む手っ取り早い涼みになるのだが…。
去年それを理由に参謀室に入り浸っていた所、思い出すのも脳が拒否するくらいの恐怖体験をさせられたのでやめておく。
出来れば恐怖以外で涼を取りたい。

「いいですよ。外での仕事はこの時期には辛いですよね」
「ボクも少し暑いからいいけど、でもヒュウガは書類仕事やりたくないだけだろ」
「私も構いませんよ」

ああ、何て優しい同僚だろう!!
コナツがリモコンで温度を下げてくれたのを確認してクーラーの真下に陣取る。
先程までと出てきた風が冷たいのを全身で感じる。

「うはー、生き返る…」

ずっと手に持っていた軍服を床に放り出して風に当たる。
ふたつ外されたボタンをさらにもうひとつ外して風を送り込む。
シャツでぱたぱたと仰いで、肌から剥がす。

「少佐、シャワーを浴びて着替えた方が早いんじゃ?そんな涼み方すると風邪引きますよ」
「シャワーって暑いから嫌だ」
「冷水、気持ちいいですよ?」
「冷たいシャワーなんてシャワーじゃないっ!!」

どこまでも我が儘なヒュウガに、コナツは苦笑いを返して自分の仕事に戻った。
ここ暫くはきちんと眠れているようで、その顔にクマや疲労の後は見えない。
最近のヒュウガの仕事は書類ではなく外回りなので、コナツへ回ってくる書類もない。

「はぁ、また明日も外回りかぁ」
「大変ですね」
「わざわざ猛暑日を狙わなくてもいいのに。頭イカれてるのかな」
「頭イカれてるから事件起こすんだろ、ヒュウガの馬鹿」
「はぁ。なんで人斬らないと死んじゃう俺が、人様が殺した死体見て探偵ごっこやんなきゃ駄目なのさ」
「犯人の思考回路に近い方が犯人を捕まえられるからではありませんか?」
「ちょ、カツラギさん。それ、俺の思考回路の事?」

いつも通りの俺の日常。
そう、いつも通りの。






続けたいけど、とりあえずここまで←
短編書くのも面倒だから日記で下書きw
続きをここで書くか、それか短編に上げるか…
まぁ、そんな感じです(え)

シャツのボタンみっつも開けてぱたぱたさせて汗が首筋に伝う色っぽいヒュウガさんを書きたくて生まれたものです←
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