<オマケ>

「・・・で、文次郎。予算会議とはどのようなものだった?」
「どのような、と言われてもなぁ・・・。(あれを言葉で表すのって・・・・・・)」

 予算会議から数日後。仙蔵たちは改めて文次郎に予算会議の事を訊ねてみた。
 因みに、予算会議から追い出された彼らは保健委員長の計らいによって池に沈められる事は免れたが、徳ヱ門の怪力によって問答無用で池に顔を押し付けられている体育委員長代理を間近で目撃してしまっている。

 けれど、一年生の文次郎には、あの肌で感じた予算会議の雰囲気を口頭で伝える事ができなかった。それを見かねてか、待ちきれなくなったのか、小平太が一番気になっている事を問いかける。

「では質問を変えよう!我が体育委員会の委員長代理はどうだった?」
「いや、どうだったって・・・。宙吊りにされてるの見ただろ、お前も。予算会議の準備で俺が会計室に来た時には、もう気絶して宙吊りだったし・・・。」
「何、体育委員会の中でも猛獣と言われる程にパワフルなあの先輩がか!?」

「文次郎。保健委員会は?」
「連れてかれたお前たちを助けようと会議室を抜けて、そのまま予算会議には戻って来なかった。委員長も、保健委員会からの請求は認めないって。」
「あぁああああ!何だかごめんなさいー!委員長!」

「俺の所は?」
「用具委員長は、一番 会計委員長と口喧嘩してたなぁ。苦無と刀が出た時はどうなるかと思ったが・・・」※先に刀を出したのは会計(小田)だという事を、敢えて語らない。
「苦無と刀?!予算会議で?!」

「・・・・・・図書は・・・」
「あー・・・、何か頑張って説得しようとしてた。無理だったけど。」
「・・・・・・。」地味にショック。

「では文次郎。作法委員会はどうだった?」
「いや、予算に関しては何も言わなかったぞ。仙蔵の所の委員長。四年生に任せっ切りらしくて、予算案も流し読みだったし。」
「な゛っ」

 予想だにしない文次郎の言葉。そこから明かされる、己の所属する委員長たち(代理含む)の失態の数々。その事でショックを隠しきれない彼らに、とりあえず文次郎は火薬委員長代理の目が怖かった事と、生物委員長が会計委員会を助けてくれた事は黙っていよう。と静かに思う事にした。

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