<天女vs初代組>※年齢操作(六年→一年)、IF

 とある日、天から降るかのように学園に現れる天女。天女の補正にかかるのは、原作やアニメに登場するキャラのみ(教師陣と一年生)。
 他の生徒たちは天女を不審がるものの、学園長が「客人」としてしまっている為に、下手に手出しができない状況。
 その中で、補正のかかってしまった一年生たちは天女にべったり。でも一年生が天女にべったりと言っても、上級生の補正よりは被害が少ないので次第に諦めるような雰囲気に成りつつある。――が、そうは問屋が卸さないのが鬼の会計委員長たる浜 仁ノ助。

 仁ノ助は委員会を無断欠勤するようになってしまった文次郎に問い質す。文次郎も己のしている事は理解しているので、泣き虫が発動してしまう。そこへ現れる天女。彼女を認識するや否や、文次郎の涙が止まって泣き顔も消えてしまう。文次郎の泣き虫を幾度となく見て来ている仁ノ助は、あまりの豹変っぷりに内心驚愕。文次郎の涙はそう簡単に止まるものではないと知っているから。
 一方で、天女は仁ノ助が文次郎を苛めているのだと思い込む(文次郎が苛められっ子だという事前情報を得ている)。天女は元々六年生にしか興味のなかったトリッパー。自分に夢中になる一年生な現代六年生を見ていく内に、自分の思うような六年生に仕立てようという目論見が生まれてくる。

 こうして出来上がる、天女vs初代組の構図。
 次第に天女の力が強まって、正規キャラでない忍たまたちの補正もかけられていくんだけど・・・。元より孤立しがちだった初代組にはあんまり周囲の事が気にならない。

 天女の魅力に惹かれたのならば、それを否定せずに叱るのが上級生の務め。但し、それがもしも天女に強要されたものだったならば・・・。と、文次郎の態度を見て思うようになる初代組。


<浜と櫻坂>※↑の設定。

「・・・櫻坂誠八郎。嘗て文次郎が所属していた生物委員会の委員長として、お前に問う。」
「何だよ・・・改まって。」
「潮江文次郎の、泣き顔を覚えているか。」
「は?何言ってるんだ、お前。忘れる訳ねぇだろう。」
「・・・そうか・・・。・・・あれが泣いている時、お前はどうした。」
「どう、って・・・急ぎがなけりゃそのまま泣かしといた。泣くのも、自己表現の一人だからな。」
「・・・・・・・・・。」

 誠八郎には気付かれていないようだったが、仁ノ助は内心安堵していた。そして、同時に泣き顔から急変して笑顔になった文次郎の姿が脳裏に浮かぶ。

「・・・・・・。」
「何なんだ。文次郎に何かあったのか?」
「・・・確証はない。だが、・・・あれが泣き顔から笑顔になった。」
「へ?」
「見た事があるか。一声かけられた瞬間に、泣いていた人間が満面の笑顔になる様を。それも、一年生の文次郎が、だ。」

 涙が枯渇したように止まり、赤面を忘れたように赤らみが消え、笑っている筈の顔が、まるで、無表情の能面を押し付けているようにも感じた。
 忍者になる身であるならば、感情を表に出す事が少なくなる事は必定。但し、それを一年生の・・・あまつさえ、忍者の才能がないとまで言われる文次郎が、自発的に行えるとは思えないのだ。

「・・・その、一声って・・・」
「件の天女だ。」

 天女に声をかけられた瞬間。泣き顔が笑顔になった。文章としては、決して悪い響きではない。但し、厳格で有名な仁ノ助が贔屓にしているとは言え、一人の生徒に対して異常ではないかと誠八郎に話しかけて来た程の出来事である。看過できない、と誠八郎の本能が告げていた。

「天女が・・・」
「先にも言ったように、確証はない。但し、それが強要されたものであるならば・・・。文次郎だけでなく、天女に近付く他の一年生たちも『泣けぬ』状態が続いている可能性がある。」

 そして、自分たち上級生はそれに気付けずに見逃していた事になる。言うや否や、仁ノ助は膝の上に置かれた己の拳を強く握りしめていた。誠八郎は悟る。無口な彼が饒舌になっているのは、それだけ感情が昂ぶっているという事。これは怒りだ。嘗て、『地獄の会計委員会』を立ち上げて全ての生徒を敵に回した時のように、浜仁ノ助は怒りに満ちている。

『文次郎を虐めたのね!その制服・・・六年生でしょう!六年生が一年生を虐めるなんて、恥ずかしいと思わないのっ!?』
『・・・・・・。』
『ぁ、ぁの・・・先輩は、』
『ね?文次郎は泣かない強い子だもの。ほら、笑って。文次郎?』
『は、はい!』
『ん〜、良い子良い子。』

「・・・それが確かであれば、俺は天女を許せない。」

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