<潮江が浜と会っていなかったらC>※IF、年齢操作なし、潮江の性格変更有り

 本人が見つからないのであれば、外堀から埋めていくしかない。彼らは行動を開始する。
 文次郎が委員長を勤めているという、生物委員会の後輩に当たってみる事にしたのだ。

 大人数では迷惑が掛かる、と生物小屋に向ったのは仙蔵と伊作だ。学園長の突然の思い付きで、仙蔵は短い期間ではあったが生物委員長であった頃もあったし、伊作も薬草園絡みで生物委員会とは関わりがある。
 先に向かった菜園には誰もいなかったので、生物小屋の方かと二人が足を勧めると・・・そこに潮江文次郎の姿があった。

「文次郎!」
「っ、・・・ぁ!」

 咄嗟に仙蔵が声をかけると、文次郎はビクリと肩を震わせてこちらを見る。その外見にも、仙蔵と伊作は違和感を覚えた。
 縁の太い眼鏡に、振り向いた事で揺れる長い髪。何処か気弱そうな表情。仙蔵たちの記憶にある文次郎と、大分姿がブレて見えた。

「っ!」
「ぁ、おい!」

 文次郎は手に持っていた桶(飼育用に使っていたのだろう)を咄嗟に置いて、手早くそこからいなくなってしまった。二人は追い掛ける事よりも、彼の態度に愕然としてしまう。

「彼奴、一体何を・・・!」
「あれ、潮江先輩?何処に・・・って、あ。立花先輩に善法寺先輩!」

 生物小屋からひょっこりと顔を出すのは、五年の竹谷八左ヱ門だった。彼らは仙蔵たちの姿を見つけると、傍にいた後輩たちに断りを入れた後に駆け寄って来る。

「すいません。ここに潮江先輩いませんでした?」
「あぁ。いるにはいたが・・・」
「直ぐに居なくなってしまったよ。何かあったのかい?」

 伊作が問いかけると、八左ヱ門は一瞬呆けたような表情になったが。直ぐに自分で納得したらしく、こう告げた。

「あったというか、・・・あぁ、先輩たちは知りませんか。」
「・・・何をだ。」
「潮江先輩って、同輩の先輩たちの事、苦手なんだそうですよ?」

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