<潮江が浜と会っていなかったら@>※IF、年齢操作なし、潮江の性格変更有り

「今日は委員会の先輩達と出掛けるから!」
 嬉々として話す一年い組の潮江 文次郎に、他の同輩たちは少なからず不満を感じていた。確かに以前、彼と会計委員会の面々は遊んだ事がないのではないのか、と問い詰めた事はある。
 だが、それは文次郎に「先輩たちと遊べ」と言いたかった訳ではない。
 本人にはその気がなくとも、まるで蔑ろにされたようにさえ感じてしまうのだ。

 だから、仕方がないだろう。
 文次郎が離れてしまった所で、五人の内の誰かが「会計委員会なんて、なくなればいいのに。」と思い、呟いたとしても。


「ん?」
 六年い組の立花仙蔵は違和感を覚えた。とても重要な何かを置いて来てしまったかのような感覚に、首を傾げる他ない。違和感ばかりで、原因が思い出せない。
 ここは六年長屋の己の自室。今は新たな焙烙火矢を作ろうと火薬の調合に明け暮れていた筈だ。何故、原因も分からない事に頭を悩ませなければならないのだろう。そう、思った時だった。

「仙蔵、仙蔵!――立花仙蔵ーっ!」
「・・・煩いわ!貴重な火薬が飛んでくれたらどうする!?」
 文字通りに飛び込む勢いで長屋の戸を開けたのは、六年ろ組の七松 小平太だった。火薬の調合をしていた自室には調合器具が広がっており、お世辞にも整っているとは言えない。風程度で貴重な火薬を失う訳にはいかないのだ。
 けれど、怒鳴られた当人の小平太はそんな事を気にも止めていない様子で(正確には「気にも止められない」様子で)、仙蔵に言い放った。

「文次郎って、生物委員会の委員長になったのか?!」
「・・・は?」

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