<御園の威厳>※年齢操作(六年→三年)

 予算会議の最中には泣きじゃくる田村 三木ヱ門を慰めて、終わってからは落胆する立花 仙蔵を慰めていた潮江 文次郎。けれど、実は彼の相手は彼らだけに留まらなかった。

「文次郎!何なんだお前の同級生!めっちゃ洞察力あんじゃねぇか!あれ、マジで三年生か!いくら惚れた女だからって出門表で名前確認したとか怖い!」
「・・・・・・・・・。」

 誰にも見られていないと判断した場所で、会計委員長の御園 林蔵は後輩である筈の文次郎に泣きついていた。・・・この先輩は、どうにも六年生に昇級したと同時にヘタレ度も上がったような気がしてならない。
 仙蔵や三木ヱ門の前では余裕に見せていた表情が、今では見る影もないのだ。

 見破られたのが「土井先生」や「図書委員長」だったら、彼はこれ程に落ち込まなかっただろう。最も得意とする女装の「林子さん」が見破られたからこそ、彼はショックを隠せないでいるのだ。

「お前、友達が多いのはいいけどちゃんと付き合い方を考えろ!」
「(と、言われてもなぁ・・・)」

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