<小田の贈り物>※年齢操作(六年→二年) 予算会議が始まる数日前。打ち合わせと称して、会計委員会の面々は小田 徳ヱ門の武器庫のような長屋を訪れていた。 因みに、議題は予算会議における各委員会の対処法ではなく、これらの武器を用具委員会にみすみす返してなるものか、という徳ヱ門の私怨から始まるフリーマーケットである(客は会計委員に限る)。 「何か隠し武器っぽいもの有ります?」 「「鉄粉が欲しいでーす。」」 「いいですよ、どうぞ。」 「「「あるんだ!?」」」 適当に言ってみたのに、隠し武器も鉄粉もあるらしい。本当に、ここが彼の私室であるという事を忘れてしまいそうだ。 「文次郎には、これをあげましょうか。」 「え、これって」 呆然とする文次郎に近付いて、徳ヱ門はとある武器を差し出した。 「袋鑓です。先代の得意武器ですね。実を言うと、この武器だけは私が自費で買ったものなんですよ。」 「で、でもっ。そんな大切なもの!」 受け取れない、と言いたげな文次郎。けれど、徳ヱ門は首を振る。 「これは、私の得意武器にはなりませんでした。他の武器もそつなく使えてしまいましたからね。」 このままでは、他の武器と同じように用具委員会に持っていかれてしまうのだ。 そう言われては、文次郎は何も言えなくなってしまう。 「ですから、差し上げます。二年生が扱うには危ない武器ですので、・・・体がしっかり出来上がってから使って下さいね。貴方が使いこなせるようになるのを、楽しみにしていますよ。」 「はいっ!」 prev next 戻 gift main mix sub CP TOP |